株式会社ウェイブ(本社:東京都豊島区、代表取締役:関口航太、以下「ウェイブ」)は、技術推進部を中心に、エンジニア組織全体におけるAI活用の推進を目的として、AIコードレビューツール「CodeRabbit」の導入試験、および社内最大規模のプロダクト「ComicFesta」チームへのClaude Code導入伴走、大規模テストコード移行などの取り組みを実施したことをお知らせいたします。 本取り組みでは、単なるAIツール導入にとどまらず、「AIを活用できる土台づくり」に重点を置き、コンテキスト整備や品質担保の仕組みづくりにも注力しました。エンタメ企業の開発組織における生成AI活用の実践事例として、その取り組み内容と得られた知見を紹介します。 背景|AI活用には“土台整備”が必要だった ウェイブでは開発生産性向上を目的として様々な技術施策を推進しており、その中でAI活用についても積極的に取り組んできました。 しかし、AIツールを試験導入する中で、「ツールを導入しただけでは十分な効果は得られない」という課題に直面しました。 例えば、個人レベルではClaude Codeを活用し、自作Skillを社内GitLabで公開する取り組みも行っていましたが、「そもそも存在を知られていない」「用途がイメージしづらい」「自身のワークフローへ組み込むハードルが高い」といった理由から、現場全体への定着には至りませんでした。 こうした経験から、AI活用を組織的に進める上では、 ・AIへ適切なコンテキストを渡すこと ・AIが生成したコード品質を検証すること ・チームの業務フローへ自然に組み込むこと が不可欠であるという課題認識を持つようになりました。 そこでウェイブでは、“伴走型アプローチ”によるAI活用の土台整備を進めるとともに、実際の開発現場における課題解決へ取り組みました。 取り組み① CodeRabbit導入試験を4チーム・12リポジトリで実施 ウェイブでは、AIコードレビューツール「CodeRabbit」の有効性を検証するため、2026年3月〜5月にかけて導入試験を実施しました。対象は4チーム・12リポジトリ。 特徴的なのは、評価メトリクスを事前設計した点です。 CodeRabbitのレビュー指摘に対してメンバーが「いいね」リアクションを行い、「いいね数 ÷ 指摘数」によって“有効レビュー割合”を可視化しました。 結果として、有効レビュー割合はチームごとに10〜30%程度となり、シニアエンジニアからは「ドメイン知識を踏まえた設計指摘までは難しい」という意見がある一方、ジュニアエンジニアからは「レビュー前の簡単な不備を事前に検知できる」と評価されました。 これらを踏まえ、組織として「全社一律での導入」は見送る決断を下しました。 現在はトップダウンでAIを押し付けるのではなく、「新規メンバーが多いチームはレビュー補助として継続」「経験豊富なチームは別の課題解決に注力」するなど、チームの状況に応じた柔軟なAI活用へと方針をシフトしています。 取り組み② ComicFestaチームへのClaude Code導入伴走 CodeRabbit試験と並行し、ウェイブでは社内最大規模のプロダクトである電子コミック配信サービス「ComicFesta」チームへClaude Code導入伴走を実施しました。導入にあたっては、「CLAUDE.md」「MR作成用Skill」「コーディングルール」などを整備しました。 単にツールを配布するのではなく、MR作成や実装時など、チームメンバーが日常的に行う開発フローの中で自然にClaude Codeを利用できる形を構築しました。その結果、現場からは、「いつもと動きが違う」「指示しなくてもテスト実行まで行ってくれる」などの声が上がりました。 また導入後は、メンバー自身がskillを改善・追加する動きも生まれ、AI活用が現場主導で発展する文化形成にもつながっています。 取り組み③ 300ファイル規模のテストコード移行を1ヶ月で実施 ComicFestaチームでは、長年の技術負債となっていた「minitest」から「rspec」への移行も実施しました。本取り組みでは、単純にAIへ変換を依頼するのではなく、ウェイブ側でminitest → rspec変換用のskillを作成。さらに、「テストケース数」「ラインカバレッジ」「ブランチカバレッジ」の一致を品質基準として設定し、自動判定を行う仕組みを構築しました。 加えて、自動テスト・linter・自己修復ループを組み合わせることで、AI生成コードの品質を検証しています。また、変換に失敗したケースは原因分析を行い、その内容をskillへ反映することで、変換精度自体を改善しながら進行しました。こうした「