インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、人々の検索が AI によってどのように変化しているか調査しました。 ユーザーがウェブサイトに遷移せずに検索を終える「ゼロクリック」が増加しているとも言われますが、今回の調査では、クエリの種類によってサイトへの遷移に差があることや、流入後のサイト回遊状況にも変化が生じている実態が明らかになりました。 【調査・分析概要】 ・ヴァリューズが保有するPC及びスマートフォンのブラウザログデータを集計。 ・対象検索エンジンはGoogle検索のみで、他の検索エンジンは含まれない。 ◆AIの普及以降もGoogle検索の利用は堅調に推移 生成AIが急速に普及した2023年以降、Google検索の利用者は堅調に推移しています。Google検索を運営するGoogle社の発表(※)でも、2026年第一四半期は全世界での検索クエリ数が史上最高になったとされています。弊社の日本におけるデータでも UU(ユニークユーザー)の上昇傾向が見られました。AI 検索により、検索後の流入率が注目されがちではありますが、検索エンジンの利用者数の増加も同時に起きており、多角的な視点で捉えることが必要です。弊社のモニター上でも、検索エンジンが情報収集の主要なインフラである状況に変わりはありませんでした。 ※https://www.youtube.com/live/wYSncx9zLIU?si=sTfFh4wuUFzagnOx&t=2693 【図1】Google検索の月次UU推移(ブラウザ・アプリ合算) ◆検索結果からサイトに遷移する割合に関する考察 そもそも、生成AIサービスが普及する以前から一定の検索はゼロクリックであったということも改めて認識し、分析を行うことが大切です。検索結果画面からサイトに遷移する割合(流入率)は、生成AIが普及する2023年以前から減少していました。これは、ナレッジパネルの表示など、検索結果画面の表示方法が、よりユーザーにとって分かりやすくなっていったことを反映していると考えられます。 生成AIが普及した2023年以降は、流入率が減少しています。一方で、注目すべきは商品やサービスの購入検討に関わる「コマーシャルクエリ」については、検索全般と比べると依然として高い流入率であることです。日常の単純な疑問は検索結果画面やAI Overviewsで解決されている一方、より詳細な商品情報や比較情報などは検索結果からサイトに流入して確かめられていると考えられます。 【図2】Google検索からサイトに遷移した割合(流入率)の推移 ※今回の調査では、各クエリを下記のように定義しました。 ・コマーシャルクエリ:家電、自動車、コスメ、旅行、不動産などのキーワードに「おすすめ」「比較」「レビュー」などを掛け合わせたもの。 ・検索一般:検索クエリの全体で、ナビゲーショナルクエリ(指名検索) を除いたもの。 ◆サイトの回遊状況の変化:「直帰率の減少」と「滞在時間の延長」 検索流入後のユーザー行動にも変化が見られます。2023年以降、Google検索からサイトに遷移後の直帰率が減少し、滞在時間が伸びる傾向が確認されました。これは、検索結果画面で解決するようなシンプルな質問が淘汰された結果、サイトに流入するユーザーは正しい情報源で「より深い情報を得たい」という意欲が高い層に純化されている可能性を示唆しています。 【図3】Google検索からサイトに遷移した際の滞在時間・直帰率の推移 ※上記集計は、コマーシャルクエリやナビゲーショナルクエリなどに限定せず、全てのクエリを対象に分析を行っています。 ◆まとめ 今回の調査結果から、生成AIの普及によって検索流入のあり方も変化していることが見えてきました。検索結果画面からサイトへの流入率はやや減少しているものの、検索からサイトに遷移した際にはサイトに長く滞在して回遊するようになっています。また、商品やサービスの購入検討に関わる検索(コマーシャルクエリ)では、検索全般に比べれば高い流入率を維持しています。 これらの結果は、生成AIの普及は単なる「検索流入の減少」を意味するのではなく、ユーザーが「AIで済ませる情報」と「サイトでじっくり読む情報」を無意識に選別し始めたことを意味していると言えるでしょう。企業側には、AIの概要では得られない、より専門的で深い体験価値を提供するコンテンツ作りが求められています。 ◆株式会社ヴァリューズ データプロモーション局 ゼネラルマネジャー 齋藤ロベルト義晃のコメント 「生成AIの普及により、検索行動は『AIで即座に完結する