ビジネスで社会課題解決を目指す株式会社UPDATER(本社:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司)は、消費者1,000名を対象に「デジタル製品パスポート(DPP)※に関する消費者意識調査」を実施しました。 その結果、長く使う志向は7割にのぼり、製造・修理・所有履歴などの“来歴情報”については8割が購買判断に影響すると回答しました。来歴の可視化が価格や選択を左右する新たな購買基準として浮上しており、DPPは規制対応にとどまらず、企業の売上を左右する要因へと変化しつつあります。 <調査概要> 調査名:DPP(デジタル製品パスポート)に関する消費者意識調査 調査主体:株式会社UPDATER 調査期間:2026年3月29日~3月30日 調査対象:全国の男女1,000名 調査手法:インターネット調査 ※DPP(Digital Product Passport/デジタル製品パスポート):製品の原材料・製造・修理・所有・廃棄に至るライフサイクル全体の情報をデジタルで記録し、QRコード等を通じて関係者間で共有する仕組み。EUでは2030年までに複数カテゴリへの導入義務化が進んでおり、日本企業のグローバルサプライチェーンにも影響が及ぶ。 トピック①:「モノを育てる」消費が主流に 長く使う志向は7割、リセール前提の購買が広がる 本調査では、「できるだけ長く使いたい」「長く使いながら変化を楽しみたい」と回答した人が7割以上となり、長期的に価値を重視する志向が広がっていることが明らかになりました。 また、他の設問では中古市場の利用経験について約9割が「ある」と回答しており、商品の売買が一般化している実態が確認されています。さらに、購入時に将来的なリセールを意識して商品を選ぶ人は約4割にのぼり、10代・20代では約5割と高い傾向が見られます。 こうした結果から、現在の購買環境は「長く使うこと」を前提としながらも、「将来的に売ること」まで見据えた長期保有型へと変化していると考えられます。 このような購買行動においては、商品の状態や真贋、履歴といった情報の重要性も高まると考えられます。 トピック②:中古市場の壁は「見えない不安」 状態・真贋への不安が約7割、来歴の不在が購買を阻害 中古商品や海外ECでの購入において、不安に感じる点として最も多かったのは「商品の状態が分かりにくい」(約7割)、「本物かどうか分からない」(約6割)でした。商品が本物かどうかを確認できる仕組みについて、約7割が「価格や状態と同程度に重要」と回答しており、真贋の確認は購買判断における重要な要素となっています。 また、来歴情報への関心は「中古商品を購入するとき」(601名)が最も多く、「高価な商品を購入するとき」(532名)、「長く使う商品を購入するとき」(352名)と続きます。これらの購入シーンにおいては、来歴が真贋や状態の判断材料となることから重視されていることが分かりました。 このような結果から、商品の状態や真贋に加え、「どのような履歴を持つか」を確認できるかどうかが、購買判断における重要な要素となっていると考えられます。 トピック③:「来歴」が価値になる時代へ 約3割が「購入の決め手に」、一次流通にも波及 商品の製造情報や修理履歴、所有履歴といった“来歴情報”について、26%が「購入の決め手の一つになる」と回答しました。 また、59%が「参考にはする」と回答しており、約8割の消費者が来歴情報を購買時の判断材料としたいと考えていることが分かりました。 特に中古商品や高価な商品、長く使う商品の購入時において来歴への関心が高く、単なる付加情報ではなく、意思決定に関わる情報として認識されています。 こうした結果から、商品はスペックや価格だけでなく、「どのような来歴を持つか」が選択時に重視される要素となりつつあります。 考察:DPPは「規制」から令和時代の「箱書き」へ これまでDPP(デジタル製品パスポート)は、EUを中心とした制度対応やサステナビリティの文脈で語られてきました。しかし本調査から、消費者に「モノを長く使う」「経年変化を楽しむ」「個体差を価値とする」といった価値観が広がっていることが明らかになりました。 これは日本人がもともと持っている価値観の再浮上と捉えることができます。日本には古くから「箱書き」という文化があります。作者や鑑定者、所有者が作品の箱に来歴を書き記し、その真贋や価値、歴史を次代へと受け継ぐ仕組みです。誰が作り、誰が手にし、どのような時間を経てきたのか。その履歴そのものを価値として尊ぶこの文化は、日本人に根付く感性を象徴しています。今回の調査で示された「来歴が購買判断に影響する」という結果は、この価値観が現代において再び顕在化していることを示しています。 今