Ubie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は、独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター(所在地:福岡県福岡市、院長:森田勝、以下「九州がんセンター」)が、「ユビー生成AI」を積極的に活用し、院内の記録業務・事務業務の効率化に取り組まれていることをお知らせします。本取り組みは、独立行政法人国立病院機構(NHO)として初となる医療特化型生成AIの活用事例であり、同院スタッフの主導により数々の成果が生まれています。 ■ 背景と課題 医師の働き方改革の本格化による時間外労働の上限規制適用や、タスク・シフト/シェア(職種間の業務を分担・移管し、各職種が専門性を発揮できる体制を整える取り組み)の推進が求められるなか、九州がんセンターでは、がん専門病院として高度な医療を提供し続けながら、職員の「記録業務」「事務作業」の負担軽減という課題に真剣に向き合ってきました。より患者さんに向き合う時間を物理的に創出するため、同院が自ら主体となって「ユビー生成AI」の活用推進に乗り出しました。 ■ 安全な推進体制の構築 同院は、「ユビー生成AI」の導入にあたり、独自の利用規程・ガイドラインを策定しました。AIの出力はあくまで下書きとし、最終確認は必ず医療職が行うという原則を院内に徹底。国立病院機構(NHO)本部のセキュリティ規程に対応したデータ連携の仕組みも院内で整備し、電子カルテの前日分データを毎日1時に自動連携する環境を独自に構築しました。なお「ユビー生成AI」は院内の保護された電子カルテネットワーク内で動作し、入力されたデータはAIモデルの学習に再利用されない仕様となっています。 ■ 4つの活用事例 ① 医師事務作業補助者による初診支援 同院の医師事務作業補助者が紹介状(診療情報提供書)から初診時カルテの下書きを自動生成する運用を確立されました。1患者あたりの入力作成時間が平均22分から12分へと10分短縮され、月間新患約300件換算で月間約3,000分(約50時間)の業務時間を創出。スタッフからは「薬剤名や治療経過の読み取りの心理的負担が大幅に減少した」との声が上がっています。 ② 診療録要約(退院サマリー作成)支援 電子カルテと連携したAIを活用し、退院サマリー(入院中の診療経過をまとめた文書)や診療情報提供書の下書き作成に取り組まれています。同院では、日々のカルテ記録に埋もれがちだった患者の生の声が漏れなく抽出されることを確認されており、単なる時間短縮を超えた、質の高い情報引き継ぎの実現につながっています。 ③ インフォームドコンセント・カンファレンス記録の作成 患者さんへのインフォームドコンセント(病状・治療方針の説明と同意)やカンファレンスの録音データから、カルテ用記事案を数分で生成するワークフローを院内で確立しました。看護師がメモ取りから解放され、患者さんの表情や反応に向き合う時間が確保できるようになったと、現場スタッフからも好評を得ています。 ④ 会議運営の迅速化 会議音声からの文字起こしと議事録素案の自動生成を取り入れ、議事録作成の労力を70%削減(数時間〜数日→1時間以内)することに成功しました。書記担当者が記録業務から解放され、会議中の議論へ積極的に参加できる環境が生まれています。 ■ 成果のまとめ 項目 成果 医師事務作業補助者業務(初診入力) 1患者あたり10分短縮、年間換算で約600時間以上削減 議事録作成 労力70%削減、1時間以内での出力・展開が可能に 定性成果 患者情報の丁寧な引継ぎ・共有の実現、医療スタッフの心理的負担軽減 ■ 今後の展望 九州がんセンターでは、今回の取り組みで得られた知見をもとに段階的に使用権限を拡大し、病院全体での活用推進を進めていく予定です。また、国立病院機構(NHO)の先行モデルとして、活用事例や運用方法を全国のNHO病院へ共有・展開し、医療DX(デジタル化による医療変革)の普及を牽引していくが期待されます。 Ubieは、同院の取り組みを引き続き支援するとともに、医療機関の業務効率化・負担軽減に貢献し、より患者さんに向き合う時間の創出を目指してまいります。 ■ 九州がんセンター副院長 益田宗幸様 コメント 当院のモットーである「病む人の気持ちを」を最大限に実践する上で、大きな障壁となっていたのが、年々増加する医療事務作業でした。医療従事者が患者さんと向き合い、人間にしかできない業務に専念できる環境を取り戻すため、当院では電子カルテと連携する「ユビー生成AI」を、国立病院機構のパイロットケースとして導入し、その実用範囲の拡大を進めています。個人情報の取り扱いなど慎重な検討を要する課題も多く、実装までには当初の想定以上の時間を要しました。しかし