当社はGreen Carbon株式会社と連携し、沖縄県宮古島市において東京農工大学大学院農学研究院生物システム科学部門豊田剛己教授の監修のもと、「再生水×バイオ炭」を組み合わせた地域循環型農業エコシステムの実証(以下、本実証)を2026年4月から開始しました。 本実証は、当社グループが宮古島で運営する宮古島熱帯果樹園「まいぱり」で発生する排水から複合発酵技術を活用して作り出している再生水と、収穫したサトウキビの搾りかすから作るバイオ炭を組み合わせた農資材を宮古島のサトウキビ畑に散布することにより、化学肥料を削減し肥沃な土壌形成と持続的な農業の実現への効果を検証します。 再生水とは、トイレやキッチンなどから排出される汚水に対して、生物処理(複合発酵技術)を活用して残留性のある化学薬品を一切使用せず、微生物の働きによって浄化された再利用可能な水であり、施設のトイレの洗浄用水として循環利用できるだけでなく、有機物を豊富に含み、微生物活性度を高める効果があります。宮古島熱帯果樹園「まいぱり」で2023年から行った実証実験にて、再生水を農業利用すると、土壌中の微生物活性度を高め、植物の成長を促す効果を確認しました。 バイオ炭は、もみ殻・木材などのバイオマスを酸素のない状態の350℃超で加熱して作られる固形物で、水分や肥料の保持力向上、土地構造や土地Phの安定、有益微生物のすみかとしても機能する特徴を持つため、温暖化対策だけでなく農業資材として近年評価を高めています。 本実証において、有機物を豊富に含み微生物活性度を高める再生水と微生物のすみかとなり養分を保持するバイオ炭をかけ合わせることで、更なる収量増加につながると考えており、再生水とバイオ炭の単独散布と組み合わせて散布した場合の効果を比較検証します。 宮古島は、地質が琉球石灰岩で雨水や化学肥料が地下へ浸透しやすく、また地下ダムが多いため汚染物質が滞留しやすい一方で、県内でも有数の農作物生産地となっていることにより化学肥料の使用が増加しているという課題があります。本実証の成果をもとに、宮古島市へ「再生水×バイオ炭」の提案を行い、市全体での化学肥料を低減させる取り組みを目指していきます。 本実証を通して、農作物の栽培に必要な水と肥料を持続的に地産地消するモデルを生み出し、今後は東急線沿線をはじめとした全国で推進することで、循環型社会の実現に貢献していきます。 再生水スキーム再生水とバイオ炭の役割 以 上 【別紙】 1.実証事業概要 2.体制 3.Green Carbon株式会社 Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンに掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジットの創出・登録・販売までを一気通貫で支援する、国内最大規模のクライメートテック企業です。加えて、植物・微生物の研究開発事業、ESG/排出枠コンサルティング事業、各種環境関連事業も展開しています。事業は日本および東南アジアを中心に10カ国以上で展開しており、水田(中干し・AWD)、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、家畜排せつ物処理、畜産由来メタン削減など、多様な自然由来プロジェクトを推進しています。 4.実証イメージ 本実証は、東京農工大学の監修のもと、宮古島市上野野原エリアのサトウキビ圃場において6つの試験区を設けて実施します。再生水・バイオ炭それぞれの単独散布と組み合わせて散布した場合の効果を比較検証するとともに、減肥効果の確認も行います。土壌採取・分析を定期的に実施し、微生物活性・収量・土壌改良の度合いを定量的に評価します。 5.複合発酵技術について 複合発酵技術は微生物による発酵作用を活用し、ノンケミカルな排水処理を実現します。また、通常の排水処理で発生する汚泥を抑制することが可能で、ゼロエミッションの取り組みにも貢献する、自然と調和したサスティナブルな環境技術です。 ※ゼロエミッションとは・・・人間の活動から発生する廃棄物や温室効果ガスをゼロにすること 6.過去の取り組み実績 ■複合発酵技術を活用した水循環システムを東急のオープンイノベーションラボ「SOIL」に導入 ・期間 2025年4月2日~2026年3月31日 ・場所 SOIL(Shibuya Open Innovation Lab) (東京都渋谷区渋谷三丁目6番14号 渋谷金王第二ビル) ・検証項目 (1)水循環におけるマテリアルバランスの検証 不特定多数の利用者がいる環境において、汚水を水循環システムで浄化して再利用する過程で、汚水の排出量、再生可能量、再生水の使用量のバランスが安定的に維持できるかを確認し、導入施設の環境に応じて循環量の調整を柔軟に設定できるシステムの構築を目指します。 (2)再生水の水質安定