ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:前田 桂、以下ロシュ)は、独自のSequencing by expansion(SBX)テクノロジーを採用した次世代シークエンシング(NGS)ソリューションである「AXELIOS 1」を、研究用として2026年7月1日に発売します。ロシュは、本ソリューションの投入により、最先端のゲノム・遺伝子研究を強力に支援し、シークエンシングの可能性を広げます。 遺伝子の配列を網羅的に解析するNGSは、疾患メカニズムの解明などに大きく貢献してきました。しかし、従来の技術では、「結果取得までにかかる時間の長さ(TAT)」や「高いランニングコスト」、そして一定のサンプルが集まるのを待ってから装置を稼働させるという「バッチ処理の要件」などが、研究を迅速に進める上での障壁となっています。 ロシュは、将来的に誰もが最適化されたゲノム医療の恩恵を受けられる世界の実現を目指しています。そのために、「迅速性・柔軟性・拡張性・正確性」を備えた新たなソリューションが必要と考えます。AXELIOS 1は、網羅的に遺伝子配列データを取得する「全ゲノム解析」から少数のターゲット遺伝子を調べる「パネルアッセイ」まで、シームレスに対応できる将来のゲノム医療インフラを構築する重要な第一歩になります。 ■ 独自の技術「SBXテクノロジー」 AXELIOS 1を支えるのは、これまでのNGSの限界を克服するために開発された「SBXテクノロジー」です。 サンプルのDNA配列情報を、元のDNAの50倍以上の長さに拡大した「エクスパンドマー」と呼ばれる分子に変換します。この分子を、超小型センサー上に配置した約800万の微細な穴に通過させます。通過する際、エクスパンドマーの「レポーターコード(目印)」の電気信号が検出され、遺伝子配列として読み取られます。DNA情報を事前に「読み取りやすい大きさ」に引き伸ばしてから計測するという独自のアプローチにより、従来の技術課題を克服し、圧倒的なスピードと正確なデータ獲得を同時に実現しました。 ■ AXELIOS 1がもたらすメリット 高い柔軟性とより長い分子への対応:短いDNA配列からより長い配列(約200bp〜最大約1.5 kb)まで、多様な研究用途に応じて幅広く柔軟に対応します。読み取る配列の長さにとらわれない柔軟な研究が実現可能になります。 ハイスループットと迅速性:「エクスパンドマーの合成」(約4時間)と「シークエンシング(読み取り)」の工程を完全に分けることで効率化を実現。読み取り時間は15分から最長4時間まで柔軟に設定でき、最大4時間のシークエンスランで、16人分の全ゲノム解析に相当する大容量データ(1.8〜2.7Tb)を出力します。シークエンシング反応中にリアルタイムでデータが生成されるため、終了後すぐに解析結果を確認でき、これまで数日かかっていた処理を大幅に短縮します。 優れた拡張性と無駄のないラボ運用:小規模な研究から大規模なプロジェクトまで、実験の規模やサンプルの緊急度に応じてデータの出力(シークエンシング時間)や一度に解析するサンプル数(バッチサイズ)を柔軟に調整できます。サンプルが一定数集まるのを待つことなく、必要な時に無駄のない効率的なスケジュールで研究を進められます。 目的に応じた高い正確性:研究の目的に合わせて2つのモードを選択できます。正確性を最重視するモード(SBX-Duplex)では平均塩基正確度Q38以上(99.9%以上の極めて高い精度)、読み取るデータの量を重視するモード(SBX-Simplex)ではQ20超(99%以上の精度)を達成。がんなどの複雑なゲノム研究を強力にサポートします。 ■ 製品概要 製品名: AXELIOS 1 Sequencing Platform(アクセリオス ワン) 分類: 研究用機器 ※診断目的には使用できません。 主な仕様: 測定方式:Sequencing by expansion 製品構成: ・ AXELIOS 1 Synthesis Instrument:自動エクスパンドマー合成装置 ・ AXELIOS 1 Sequencing Instrument:シークエンシングモジュールおよび解析モジュール アウトプットデータ量:>1.8Tb (SBX-Duplexによる4時間のシークエンスランで得られる正確性の高い塩基数として) 平均塩基精度:>Q38(SBX-Duplexの場合) 解析ツール:SBXデータに最適化されたSBX-optimized open-source(XOOS)解析ツールを公開サイト(GitHub)上にホストしています。無料で自由にご利用いただけます。 外観: AXELIOS 1 Se