組織行動科学®に基づく研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、AI活用によって一つひとつの業務が速くなったにもかかわらず、現場の忙しさが変わらず、新規事業や事業変革へ人材を移せない状態を整理した7点の図解と、本リリース内で回答できる9問・約3分(1人あたり)のセルフチェックを公開しました。 全図解とセルフチェックのダウンロード d68315-200-c20b3c3f77054179a5d1825c9aa40669.pdf 図解では、AIで生まれた時間が既存業務へ戻る構造と、新しい価値を形にするために必要な「曖昧さを前に進めるクリエイティブ」を含む、仕事の3つの状態を整理しています。 AIで生まれた時間は、目的・責任・評価・所属が変わらない限り、現在の仕事の品質向上や、これまで手をつけられなかった改善へ戻ります。 これは、AI活用が進んでいない企業だけの問題ではありません。AI活用が進み、社員が主体的に改善している企業でも起きます。 責任感があり、自ら仕事を見つけて動ける人は、AIで生まれた時間を顧客対応、分析、品質向上、積み残していた改善へ使います。仕事が速くなっても、新しい事業へ人が動くとは限りません。 本リリースでは、次の3点を確認できます AIで生まれた時間が、実際には何に使われているか 新しい価値をつくる仕事が、既存業務の改善に置き換わっていないか 人材を新しい目的へ移せる責任・評価・役割になっているか まず30秒で、AIで生まれた時間の行き先を確認してください 次の状態に、心当たりはありませんか。 AIによって、一つひとつの業務は明らかに速くなった 以前はできなかった分析や改善にも取り組めるようになった 現場の品質や生産性は高まっている それでも、現場から「余裕ができた」という声は出てこない 新規事業へ移す予定だった人が、現在の仕事に残っている 優秀な人ほど、既存事業から外しにくい 人を送り出すと、元の部門や管理職が不利になる 複数に当てはまる場合、最初に確認すべきは、社員の意欲や主体性ではありません。 責任感があり、自ら仕事を見つけて動ける人は、AIで生まれた時間を使って、現在の仕事をさらに良くしようとします。 顧客対応を、さらに丁寧にする 分析を、さらに深める 品質を、さらに高める これまで手をつけられなかった改善に取り組む どれも必要で、価値のある仕事です。 だからこそ、作業時間が短くなっても、自然に人を別の目的へ移せる状態にはなりません。 仕事が速くなることと、人が別の事業へ動けることは、同じではありません。 AIが生むのは「作業余力」。組織が移して初めて「戦略余力」になる 本リリースでは、作業時間の短縮によって生まれた余力を「作業余力」と呼びます。 一方、その余力を人・役割・予算として別の目的へ移せる状態を「戦略余力」と呼びます。 作業余力:個人の作業時間が短くなった状態 戦略余力:人・役割・予算を新しい目的へ移せる状態 作業余力が生まれただけでは、戦略余力にはなりません。 目的・責任・評価・所属が変わらなければ、作業余力は現在の仕事へ戻ります。人・役割・予算を別の目的へ移す組織判断によって、初めて戦略余力になります。 時間が生まれても、現在の目的・責任・評価・所属は残っている AIによって同じ仕事を短時間で終えられるようになっても、社員には引き続き、次の責任が残っています。 現在の顧客に応える責任 現在の事業目標を達成する責任 現在の品質を守る責任 現在の部門で成果を出す責任 この状態で時間だけが生まれれば、社員が余力を現在の仕事へ戻すのは合理的です。 一方、人材を新しい事業へ移すには、組織として次のことを決めなければなりません。 現在の仕事を、どこまでで止めるか 何をやめてもよいか 誰を、現在の責任から外すか 人材を送り出した部門の目標を、どう変えるか 新しいテーマの初期段階を、何によって評価するか これらは、現場社員が「空いた時間をどう使うか」として決められることではありません。 人材を新しい目的へ移すためには、空いた時間を渡すだけでなく、現在の責任を外し、送り出す部門の目標や評価も変える必要があります。 さらに、新規事業では、移動先の仕事の目的自体が十分に定まっていないことがあります。 「新規事業をつくる」という方針はあっても、 誰の、どの状態を変えるのか 何を問題として扱うのか 何を新しい価値とみなすのか が定まっていなければ、人を移しただけでは仕事は始まりません。 ここで不足しやすいのは、目的に向かって動く人ではありません。 目的そのものがまだ明確ではない状態を、前に進める仕事です。 新しい事業の入口には、「改善」の前に「目的を形成する仕事」がある