企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山﨑 淳 )は、企業における新卒採用の実態と課題を明らかにすることを目的に、2026年卒採用を対象として「新卒採用選考プロセスとフォローについての実態調査」を実施しました。 近年、応募者数の不足や採用予定人数の未充足、人事担当者の業務負担増大といった課題が顕在化する中、各企業はインターンシップの導入や選考プロセスの見直し、内定者フォローの強化など、さまざまな取り組みを進めています。 調査の結果、採用充足は企業規模や施策の実施数だけで決まるものではなく、選考プロセスやフォロー施策の「質」と「個別対応」、そして戦略的なリソース配分と継続的な改善が重要であることが示唆されました。具体的には、アトラクト(応募者の惹きつけ・志望度向上)施策では実施の有無よりも内容の質が充足に影響すること、内定者フォローでは人事やリクルーターによる個別面談を実施する企業ほど充足している傾向が確認されました。また、充足している企業は選考プロセスを構成する要素ごとに振り返りを実施していることもわかりました。 今後は、限られたリソースの中で採用活動の質を高める取り組みを通じて、より持続的な採用の実現が求められると考えられます。本調査が、今後の採用戦略や人事施策の検討における一助となれば幸いです。 【エグゼクティブサマリ】 新卒採用の現状 ・採用課題の中心は「人数確保」と「人事負担の軽減」。選考プロセスは平均4.1ステップで、面接では「人柄」と「自社への適合・定着」が重視されている(図表1・2・3) ・過去3年で約3割の企業が選考プロセスを見直し、一定の効果を実感(図表4・5) 広がりつつある新しい手法 ・構造化面接の導入は約4分の1にとどまり、現場での運用負荷が普及の壁に(図表6) ・AI面接の導入は広がりつつあるが、選考プロセスへの本格的な組み込みは限定的(図表7・8) 採用充足を左右するのは「企業規模」だけではなく「質」と「個別対応」 ・採用充足は企業規模だけでは決まらず、同規模内でも結果にばらつき(図表9) ・充足企業は選考プロセスを構成する要素ごとに振り返りを実施し、継続的に改善(図表10) ・アトラクト施策は「実施の有無」より「質」が充足に影響(図表11) ・内定者フォローは人事・リクルーターによる「個別対応」が辞退防止の鍵(図表12) 1.調査担当のコメント 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 技術開発統括部 研究本部 測定技術研究所 主任研究員 松本 洋平(まつもとようへい) 新卒採用においては、応募プロセスでは学生が企業を選び、選考プロセスでは企業が学生を選ぶという捉え方が長らく一般的でした。それが近年の採用難などを背景に、選考プロセスの中においても企業が学生に選ばれるための工夫が必要になってきています。更に手法面においてもAI面接が急速に広まりつつあります。新卒採用の選考プロセスは、これまで体験したことがないような変化に直面しており、最新の状況を捉える必要性は高いと考えます。今回の調査では現在の選考プロセスの実態を探るとともに、採用人数の充足への影響という観点からもアプローチしています。企業と学生がともに選び、選ばれる時代の選考プロセスを検討する際の材料としてご活用いただければ幸いです。 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 技術開発統括部 研究本部 測定技術研究所 マネジャー 渡辺 かおり(わたなべ かおり) 本調査からは、新卒採用の充足状況が企業規模などの条件面だけで一律に決まるものではないことが確認されました。採用が充足している企業では、選考やフォローを一連のプロセスとして捉え、施策ごとのリソース配分や運用を工夫している様子がうかがえます。同じ規模であっても結果に差が見られることから、プロセス設計や運用の違いが影響している可能性が示唆されます。 また、選考では「人柄」や「自社への適合・定着」が重視されており、アトラクト(応募者の惹きつけ・志望度向上)施策や内定者フォローでは、個別対応を行っている企業ほど採用が充足している傾向が見られました。これらの結果から、選考プロセスが評価の機会であると同時に、学生との相互理解や関係構築につながる場として機能している可能性が示唆されます。 一方で、評価の質を高めるとされる構造化面接は導入率が限定的でした。調査結果からは、現場での理解や運用のしやすさが導入の課題となっている様子がうかがえます。また、AI面接は導入や検討が進む一方、選考プロセスに組み込んで活用している企業は現時点では少数派でした。 今後の新卒採用においては、限られたリソー