社会、くらしをリノベーションし、あなたと環境にとって豊かな未来をつくる株式会社リビタ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川 和憲、以下「リビタ」)は、東京・浅草エリアで運営する、アート作品の公開保管を行うアートストレージとホテルが融合した施設『KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS(読み:カイカ トウキョウ バイ ザ シェア ホテルズ)』において、才能あるアーティストの発掘を目的とした『KAIKA TOKYO AWARD 2026』の受賞作品を決定しました。 本アワードでは、審査員に秋元 雄史氏(東京藝術大学名誉教授)と黒澤 浩美氏(東京藝術大学特任教授)を迎え、応募総数353点の中から3点の受賞作品と12点の入選作品を選出。受賞作品および入選作品の15点は2026年3月より『KAIKA 東京』館内にて約2年間収蔵展示されます。 『KAIKA 東京』は、元倉庫ビルをリノベーションし、アートギャラリーの作品保管庫(アートストレージ)を公開する形でホテルと融合させたコンテンポラリーアートの拠点です。本アワードでは、国内外から数多くの人々が訪れるホテルという場での収蔵展示を通じて、アーティストの新たな活動機会の創出を目指しています。 【KAIKA TOKYO AWARD 特設サイト】 https://www.thesharehotels.com/kaika/award/ 大賞を受賞した長友 由紀氏(中央)と審査員の秋元 雄史氏(左)、黒澤 浩美氏(右) ■受賞作品と審査員選評について KAIKA TOKYO AWARD 2026大賞 「生々流転」長友 由紀/Yuki Nagatomo ・審査員選評 秋元 雄史 長友 由紀の「生々流転」は、自身の乳がん治療の経験を契機に、身体や生命の在り方を見つめ直した作品である。人間の身体を原子の結びつきとして捉え、死を自然への回帰として受け止める視点には、深い思索と静かな受容の感覚がある。本作では友禅染の技法が用いられているが、一般に想起される華やかな多色表現とは異なり、黒とグレーを基調とした抑制された色彩によって制作されている。その結果、描かれた人物の線がいっそう際立ち、身体の存在を強く印象づける表現となっている。個人的経験を普遍的な生と死の問いへと昇華している点を高く評価した。 ・審査員選評 黒澤 浩美 寒色の水色が広がる地の上に、黒の線描による像が大胆かつ繊細に描かれ、中央の身体像を軸に小像が雲のように連なっていく。独特の秩序と広がりが生まれ、地と図像の明確な対比は冷静で静謐な緊張感を画面にもたらしている。光背を思わせる像の反復は仏教絵画を想起させる高い精神性を意識した世界観を立ち上げる。友禅の精緻な線描によって個人的経験を象徴的な図像構造へと昇華している点に、本作の構想力と表現の強度が認められる。 「生々流転」長友 由紀 長友 由紀 1991年 神奈川県生まれ 2017年 東京藝術大学美術研究科工芸専攻染織領域 修了 2019年 金沢卯辰山工芸工房 研修者 修了 KAIKA TOKYO AWARD 2026 秋元雄史 賞 「HOPE」吉行 鮎子/Ayuko Yoshiyuki ・審査員選評 秋元 雄史 吉行 鮎子の「HOPE」は、日常の感情や気配のようなものをすくい上げ、絵画として提示しようとする試みである。人間の内面には言葉では説明しきれない感情が潜んでいるが、彼女はそれを新しい視点から見つめ直すことで、前向きな感覚へと転換しようとしている。空を見上げたときにふと心が軽くなるような感覚を想起させる本作は、観る者の心の奥に静かに働きかける力を持っている。素直で率直な表現の中に、絵画の可能性を探ろうとする姿勢を評価した。 「HOPE」吉行 鮎子 吉行 鮎子 1986年 岡山県生まれ 2009年 沖縄県立芸術大学卒業 KAIKA TOKYO AWARD 2026 黒澤浩美 賞 「キルティングのコンポジション」正木 美穂/Miho Masaki ・審査員選評 黒澤 浩美 ビニールのキルティングを切断し、縫合し、平面へ再配置するこの作品は、支持体を所与の面ではなく、生成される皮膜として捉え直している点が興味深い。コラージュ以後の絵画が引き受けてきた異素材の導入を、ここでは触覚の領域へと引き寄せた点が重要である。縫い目は筆致に代わる運動の痕跡となり、柔らかな膨らみは皮膚の感覚を呼び起こす。見る行為を触れる感覚へと静かに転位させる点を、絵画の新たな知覚として考察している。 「キルティングのコンポジション」正木 美穂 正木 美穂 東京都生まれ 2005年 女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻 卒業 2007年 多摩美術大学大学院美術研究科 修了 ■入選作品と収蔵展示について 受賞3