鳥取県には、県東部の空の玄関口「鳥取砂丘コナン空港」と、県西部・山陰の空の玄関口「米子鬼太郎空港」があります。キャラクター名を冠した空港を2つ有する都道府県は、全国で鳥取県だけです(鳥取県調べ、2026年6月時点)。 両空港では、愛称にキャラクター名を取り入れるだけでなく、館内装飾、フォトスポット、トリックアート、ナゾ解き、館内放送、限定商品などを幅広く展開しています。空港に到着した瞬間から作品の世界観を楽しみ、その先の地域観光へとつながる「空港から始まる旅」をつくってきました。 鳥取砂丘コナン空港では、空港ビルのリニューアルを機に一般来場者数が約8.6倍に増加しました。米子鬼太郎空港では、作品人気と国際線の充実が境港・米子エリアへのインバウンド誘客を後押ししています。鳥取県は、国内誘客と海外誘客の両面で成果を上げてきた2つの空港を、地域活性化に向けた先行事例として紹介します。 鳥取砂丘コナン空港 ©青山剛昌/小学館米子鬼太郎空港 ©水木プロダクション 日本で唯一、“東のコナン空港・西の鬼太郎空港” 鳥取砂丘コナン空港は、鳥取県東部の玄関口です。鳥取市、鳥取砂丘、白兎海岸、倉吉、北栄町の青山剛昌ふるさと館などへのアクセス拠点として利用されています。 2015年に「鳥取砂丘コナン空港」の愛称化がスタートし、空港内では「名探偵コナン」の装飾やフォトスポット、ナゾ解きラリーなどを展開してきました。さらに、2018年7月には、国内線ターミナルと国際線ターミナルを一体化した空港ビルのグランドオープンにあわせて、コナン装飾を大幅に拡充。喫茶ポアロの再現展示、キャラクターオブジェ、シンボルオブジェ、館内を巡るナゾ解きラリーなどを整備し、空港そのものを楽しめる施設として進化させました。 一般来場者数は約4.4万人から約37.9万人へ。空港が“観光目的地”に変化 その成果は、来場者数にも明確に表れています。鳥取砂丘コナン空港の一般来場者数は、リニューアル前の2017年度には43,909人でしたが、空港ビル一体化グランドオープン後の2018年度には379,021人へと急増しました。これは前年度比で約8.6倍にあたります。 その後も、2019年度には403,950人を記録し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年度には175,340人まで落ち込んだものの、2021年度241,797人、2022年度392,964人、2023年度422,695人、2024年度449,000人、2025年度491,359人と、着実に回復・成長を続けています。 また、鳥取砂丘コナン空港では、国内線乗降客数と一般来場者数がほぼ同規模に近づいている点も大きな特徴です。2018年度の国内線乗降客数は408,732人、一般来場者数は379,021人、2019年度は国内線乗降客数388,696人、一般来場者数403,950人と逆転し、飛行機を利用する人だけでなく、空港を目的地として訪れる人が大きく増えていることが分かります。 つまり、鳥取砂丘コナン空港は、「飛行機に乗るための場所」から、「訪れること自体が旅の楽しみになる場所」へと転換した空港です。キャラクターの世界観を単なる装飾にとどめず、館内回遊、写真撮影、謎解き、周辺観光地への誘導と結びつけたことで、空港の集客力を高め、地域周遊につなげるモデルをつくりました。 2018年鳥取砂丘コナン空港 リニューアルグランドオープン時 西の玄関口・米子鬼太郎空港は、鳥取県西部の広域周遊の起点に 一方、米子鬼太郎空港は、鳥取県西部・山陰エリアの玄関口です。境港市の水木しげるロード、皆生温泉、大山、米子市内など、鳥取県西部の観光地を結ぶ広域周遊の起点となっています。 米子空港は、境港市出身の漫画家・水木しげる氏の代表作「ゲゲゲの鬼太郎」にちなみ、2010年に「米子鬼太郎空港」と命名されました。鳥取県西部を代表する観光コンテンツである「ゲゲゲの鬼太郎」の世界観と空港を結びつけることで、到着時から山陰観光への期待感を高める空の玄関口となっています。 また、米子鬼太郎空港は、国内線に加え、東アジア方面への国際線も有する山陰の国際ゲートウェイとしての役割も担っています。インバウンド観光の入口として、境港、水木しげるロード、大山、皆生温泉など、鳥取県西部の観光地を結ぶ起点にもなっています。 鬼太郎人気と国際線強化で、境港・米子エリアのインバウンドにも寄与 その効果は、インバウンドの動きにも表れています。ナビタイムジャパンが訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用状況をもとに発表した分析では、2025年夏の訪日外国人旅行者の滞在数増加率ランキングにおいて、鳥取県境港市が全国1位、米子市が