パス株式会社(東京都渋谷区:東京スタンダード市場 コード番号 3840)の連結子会社で、再生医療関連事業を展開する株式会社RMDC(東京都渋谷区神宮前6−17−11、代表取締役:川端 暢宏。以下、「当社」という。)は、学校法人神戸学院 神戸学院大学(薬学部・福島 昭二教授)、株式会社美粒、および株式会社ユニ・ロットとの4者において、「幹細胞とその培養生成物、および微細分散型グラフェンの融合でがん治療に関する応用の薬剤学的研究」(以下、「本共同研究」といいます。)に関する共同研究契約を締結し 、2026年1月1日より共同研究を開始いたしております(研究期間:2026年1月1日〜2027年3月31日)。この度、本共同研究の公表について4者間で合意いたしましたので、お知らせいたします。 1. 共同研究の背景と目的 近年、医療や美容の分野において「幹細胞培養上清液※2」に含まれるエクソソーム※3や様々な生理活性因子※4が持つ、組織修復効果への応用に高い注目が集まっています。本共同研究では、RMDCが有する幹細胞および培養上清液の知見と、大学の薬学的知見、そして参画企業が持つ最先端のナノ材料分散技術を有機的に融合させます。RMDCでは、特に「皮膚に対する効果」に焦点を絞り、皮膚に適用した際の安全性、薬物が皮膚に浸透する力(薬物皮膚透過性)への影響、そして傷ついた組織及びがんの病巣が治るプロセス(創傷治癒※5)への効果について、動物皮膚や培養皮膚を用いて科学的な解析・検証を行うことなどを目的としています。 (研究の目的) 1.幹細胞あるいは幹細胞培養上清液の皮膚に対する効果を、動物モデルや培養皮膚を用いて検討し、 さらに薬物投与への活用を目指す。 2.グラフェンの分散性を改善した微細分散型グラフェンのがん治療への応用を研究する。 3.幹細胞培養上清液中有効成分のキャリヤーとしてグラフェンを応用する。 2. 本共同研究における各社の役割と実施場所 神戸学院大学 薬学部: 福島 昭二教授、岸本 修一教授、安田 健吾助手を中心に、ポートアイランド第1キャンパス 薬学部内に おいて、皮膚への有効性・安全性の薬剤学的解析を担います。 株式会社RMDC: 高品質な幹細胞および培養上清液の提供を担当し、RMDC兵庫CPC(細胞培養加工施設)にて研究に参画します。 株式会社美粒: 微細分散および均一分散の技術指導、ならびに幹細胞・培養上清液の処理技術指導を行います。 (実施場所:美粒本社内) 株式会社ユニ・ロット: 独自に開発した新型高圧乳化機を用い、水系での分散性を大幅に向上させた「微細分散型グラフェン製剤」の製造・供給、および培養上清液の処理を淡路工場内にて担当します。 3. 今後の展望と実用段階への期待 RMDCは本研究を通じ、これまで感覚的に語られることも少なくなかった幹細胞培養上清液の皮膚に対する具体的な効果や安全性を、確かな科学的データ(エビデンス)として確立することを目指します。 さらに実用化への次のステップとして、グラフェンが持つ物質吸着特性※6を応用し、幹細胞培養上清液中の有効成分をグラフェンに吸着させ、外部からの光や超音波などの刺激によって狙った部位で効率的に放出させる「画期的な薬物投与システム(DDS ※7)」の基礎技術開発にも繋げてまいります。これにより、将来的には難治性の皮膚疾患に対する新しい治療アプローチや、高度なアンチエイジング化粧品等、スキンケア・美容医療分野への実践的な社会実装への貢献が期待されます。 確かな科学の力で、皆さまの健やかな肌と豊かな未来に貢献できるよう、4者一丸となって本研究に邁進してまいります。 ■ 用語解説(注釈) ※1 グラフェン 炭素原子がハチの巣状に結びついた、極めて薄いシート状のナノ(超微細)材料 。電気や熱を伝える優れた特性を持ちますが、水に混ざりにくい(凝集しやすい)難点がありました。今回はこれを特殊な技術で細かく分散させて使用します。 ※2 幹細胞培養上清液(かんさいぼうばいようじょうせいえき) 幹細胞を培養したあとの培養液から、細胞自体を取り除いた上澄み液のこと。細胞が分泌した豊富な栄養成分やタンパク質が含まれており、組織の修復を助ける素材として注目されています。 ※3 エクソソーム 細胞から分泌される、直径1万分の1ミリメートルほどの極めて微小なカプセル状の物質。細胞同士が情報を伝達し合うための重要な役割を担っており、傷ついた組織の修復を促す鍵として研究が進められています。 ※4 生理活性因子(せいりかっせいいんし) 体内の様々な生体機能を調節・活性化する物質(タンパク質など)の総称 。肌のターンオーバーを促したり、炎症を抑えたりする働きが期待されています。 ※5 創傷治癒(そうしょう