ONE-VALUE株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:フィ・ホア、以下「ONE-VALUE」)は、2026年6月11日、日系企業向けに「ベトナム電力市場の新局面 直接売電時代に向けた参入準備とは」をテーマとしたセミナーを開催しました。 本セミナーでは、ベトナムの電力・再生可能エネルギー市場を取り巻く最新政策、PDP8改訂版、直接電力購入契約(DPPA)制度、FIT制度終了後の移行案件、送電網整備、再エネプロジェクトへの投資機会、M&A・合弁・現地パートナー連携の可能性について解説しました。 ベトナムでは、経済成長と製造業集積の進展に伴い、電力需要が継続的に増加しています。一方で、電力供給体制、送電網、再生可能エネルギーの導入、電力価格メカニズム、カーボンニュートラル対応など、電力市場をめぐる制度・事業環境は大きな転換期を迎えています。 特に、直接電力購入契約(DPPA)制度の導入により、再生可能エネルギー発電事業者と大口電力需要家が、従来のEVNを中心とした売電・買電構造とは異なる形で、直接的に電力取引を行う可能性が広がっています。これは、再エネ事業者、製造業、工業団地、インフラ投資家、電力関連設備メーカー、商社、金融機関にとって、新たな事業機会を生む重要な制度変化です。 セミナー開催の背景 ベトナムは、今後も高い経済成長が見込まれる一方で、産業発展を支える電力供給の安定化が重要な政策課題となっています。製造業、データセンター、工業団地、物流、都市開発などの拡大により、電力需要は中長期的に増加すると見込まれています。 こうした中、ベトナム政府は第8次国家電源開発計画(PDP8)およびその改訂版を通じて、電源構成の見直し、再生可能エネルギーの導入拡大、送電網整備、LNG、風力、太陽光、バイオマス、BESS、原子力などを含む新たな電力供給体制の構築を進めています。 一方で、再生可能エネルギー市場では、FIT制度終了後の価格交渉、EVNとのPPA契約、FIT漏れ案件、暫定価格での売電、送電網制約、電力価格枠組み、許認可手続きなど、投資判断に影響する実務課題が残されています。 さらに、欧州のCBAMをはじめとする国際的な脱炭素規制、サプライチェーン上の再エネ調達要求、グローバル企業のRE100・カーボンニュートラル目標により、ベトナムに進出する外資系製造業や工業団地にとって、クリーン電力の調達は重要な経営課題となっています。 本セミナーは、こうした制度変化と事業機会を日系企業が正しく理解し、ベトナム電力市場への参入、投資、提携、M&A、営業活動に向けた準備を進めることを目的として開催されました。 当日の主な講演内容 本セミナーでは、主に以下の内容について解説しました。 1. ベトナム電力市場の最新動向 ベトナムの経済成長、電力需要の増加、電源別設備容量、発電出力の推移、再生可能エネルギーの導入状況について整理しました。 ベトナムでは、再生可能エネルギーの設備容量は拡大している一方で、送電網制約や価格メカニズムの課題により、発電出力に十分反映されていない側面があります。この点を踏まえ、再エネ投資では単に発電容量を見るだけでなく、送電網、売電契約、価格制度、需要家との接続可能性を確認する重要性を説明しました。 2. PDP8改訂版と電源開発計画 PDP8改訂版では、石炭火力への依存を抑え、太陽光、風力、洋上風力、バイオマス、BESS、原子力などの新たな電源を組み込む方向性が示されています。 今回、旧PDP8とPDP8改訂版の違い、2030年時点の電源構成、2026年から2030年にかけた電源別投資額、送電網整備の投資需要について解説しました。特に、再生可能エネルギー電源と送電網への投資需要が高まることから、発電事業者だけでなく、EPC、設備メーカー、蓄電池、変電設備、送電関連機器、建設・設置事業者にとっても事業機会が広がる可能性を示しました。 3. DPPA制度の概要と最新動向 本セミナーでは、DPPA制度について、主に2つのモデルを整理しました。 1つ目は、自社の送電線を介した直接電力取引です。再エネ発電事業者と大口電力需要家が専用線を通じて直接取引を行うモデルであり、当事者間の合意に基づく契約設計が重要となります。 2つ目は、国家送電網を介した直接電力取引です。このモデルでは、EVN、競争的卸売電力市場、差額精算、送電網使用料、DPPA料金など複数の要素が関係するため、制度理解と実務設計がより重要となります。 今回、DPPA制度の対象、参加条件、契約形態、価格メカニズム、今後の改正動向、需要家側の関心について解説しました。 4. DPPAがもたらす投資・M&A機会 DPPA制度の整備により、FIT制度に間に合わなかった移行プロジ