シンガポール国立大学(National University of Singapore、以下NUS)のイノベーション活動の中核を担うNUS Enterprise(NUSエンタープライズ)は2026年6月17日、米国を拠点とするベンチャーキャピタル(以下、VC)であるPlayground GlobalおよびMatter Venture Partnersが、総額1億5,000万シンガポールドル(約187億円/1億1,700万米ドル)規模の「NUS VCプログラム」に参画したことを発表しました。今回の連携により、NUS発のディープテック・スタートアップは、グローバル展開に向け、さらなる事業構築とスケールアップの支援を受けられるようになります。 NUS Enterpriseの刷新されたi³ビル:イノベーションとインパクトを生み出す拠点 米国は世界最大級かつ成熟したディープテック・エコシステムを有しており、シリコンバレーは世界のイノベーション創出とベンチャー活動を支える重要拠点として位置づけられています。 2024年には、ベイエリアのスタートアップが900億米ドル(約14.3兆円)を調達し、米国におけるスタートアップ投資総額の57%を占めました。NUSのスタートアップは、このエコシステムとの連携を通じて、有力なディープテック投資家や専門家とのネットワークに加え、複雑な技術のグローバル市場展開に向けた支援基盤へアクセスすることが可能になります。 シリコンバレーに拠点を置くPlayground Globalは、工学・科学分野の最先端領域に取り組む起業家を支援するアーリーステージのVCです。同社は、複雑な技術革新をグローバル市場で競争力を持つ事業へと発展させる支援実績を有しています。ポートフォリオ企業の約5社に1社がユニコーン企業となっており、運用資産総額は17億米ドル(約2,700億円)に達します。Playground Globalは、次世代コンピューティング、オートメーション、エネルギー、エンジニアード・バイオロジーの未来を切り拓く初期段階の企業を支援しています。 ※出典 https://startupgenome.com/ecosystems/silicon-valley Playground Global(プレイグラウンド・グローバル) ジェネラル・パートナー ブルース・リーク氏(Bruce Leak) コメント 「シンガポールから台頭する次世代のディープテック起業家を支援するため、NUS Enterpriseと提携できることを大変嬉しく思います。グローバル競争力のあるテクノロジー企業を構築するには、長期的なサポート、高度な技術専門知識、そして国際的なネットワークへのアクセスが不可欠です。私たちは、より多くのグローバルな起業家がその道のりを歩むのを支援できることを楽しみにしています。」 Matter Venture Partnersは、シリコンバレーをはじめ、台湾、日本、韓国、ヨーロッパ、アラブ首長国連邦など、アジアおよび世界各地の主要産業エコシステムに広がる高度な技術力とグローバルネットワークを持つプラットフォームとして、今回の取り組みを強化します。同社は、先進的な半導体、エレクトロニクス、フィジカルAIのイノベーションを構築する「ハードテック」分野の起業家との連携に注力しています。Matterのチームは、実践的なサポートと戦略的なパートナーネットワークを提供し、サプライチェーンの構築、製造規模の拡大、複雑な技術の市場投入を支援します。特に、ロボティクス、先端材料、次世代製造といった分野に強みを持っています。 Matter Venture Partners(マター・ベンチャー・パートナーズ) ファウンディング・マネージング・パートナー ウェン・シェイ博士(Dr Wen Hsieh) コメント 「次世代のグローバルに重要なハードテック企業は、単一の地域ではなく、複数のエコシステムを横断して構築されていくでしょう。シンガポールはそのネットワークにおける重要な結節点であり、人材、資金、技術、そして挑戦を後押しする機運が集積しています。NUS Enterpriseとのパートナーシップを通じて、Matter Venture Partnersは、創業当初からグローバルな視点を持つシンガポールのハードテック起業家を支援できることを大変嬉しく思います。適切なパートナー、製造ネットワーク、市場へのアクセスを提供し、彼らが大規模な成功を収めるために必要な支援を行います。」 ■NUS Enterprise初のシリコンバレー拠点 NUS Enterpriseは、シリコンバレーにあるPlayground Globalの7万平方フィート規模のインキュベーション