国立大学法人東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野(以下、東京大学)とNTT東日本株式会社(以下、NTT東日本)は、2023年より進めてきた「リモートバイオDXプロジェクト※1」における新たな取り組みとして、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が提供するストレージ技術を活用し、デジタル病理画像等の大容量医療・研究データを、長期間にわたり安全かつ効率的に保存・活用するためのデータ保存基盤の実現に向けた検証を2026年7月下旬より開始します。 東京大学とNTT東日本は、これまで「リモートバイオDXプロジェクト」において、臨床病理、アカデミアおよび創薬分野における「光学顕微鏡の遠隔操作※2」等について、操作性や運用性を中心に検証を行い、その活用に向けた実現性や有用性を確認してきました。 本検証では、東京大学が有する病理分野の知見や病理画像等の実データと、NTT東日本が構築する閉域ネットワークによる安全なアクセス、さらに日本IBMの超高密度テープストレージ「IBM Storage Deep Archive※3」を活用することで、大容量の医療・研究データを安全かつ長期的に保存し、将来的なAI解析、再解析および研究利用を支える高信頼なデータ保存基盤の実現をめざします。 ※1:NTT東日本東大ラボ 「リモートバイオDXプロジェクト」紹介ページ https://nt-lab.adm.u-tokyo.ac.jp/remote-bioDX/ ※2:研究・臨床エコシステムを支える光学顕微鏡の遠隔利用実現へ向けた産学共同の取り組みが成功 https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20260325_01.html ※3:IBM Storage Deep Archive S3 Glacier API互換インターフェースを備えた超高密度テープストレージ 本取り組みの背景と目的 生成AIの進展やデータドリブン社会の進化により、医療・研究分野をはじめとするさまざまな領域において、データを長期間にわたり安全かつ確実に保存し、将来的に活用するニーズが高まっています。 特に病理分野では、病理医が一人しか在籍しない、いわゆる「一人病理」の医療機関も多く、診断業務の負担増加や人材不足が課題となっています。こうした課題への対応として、病理標本をデジタルデータ化し、遠隔診断やAI解析に活用する「デジタル病理」の導入・活用が進んでいます。こうした中、東京大学では、我が国におけるデジタル病理のさらなる発展に向けて、いち早くデジタル病理教育・診断システムを導入し、遠隔病理診断による地域医療支援、病理診断補助AIシステムの臨床実装に向けた開発研究等に取り組んできました。 一方で、病理画像は極めて高精細かつ大容量なデータであることから、デジタル病理の普及に伴って、医療機関や研究機関が保存すべきデータ量は今後さらに増大していくことが見込まれます。そのため、大容量の医療・研究データを長期間、安全かつ効率的に保存し、将来的なAI解析、再解析および研究利用につなげるための基盤整備が重要となっています。 本取り組みでは、東京大学が有する病理分野の知見および病理画像等の実データと、NTT東日本がネットワーク、クラウド/データセンター、セキュリティ等の設計・構築・運用で培ってきたノウハウを組み合わせ、デジタル病理画像等の大容量医療・研究データを安全かつ効率的に保存・活用するための検証を行います。 具体的には、NTT東日本が構築する、閉域ネットワーク(インターネット非接続)を活用した安全なアクセス基盤およびデータ基盤に、日本IBMが提供する超高密度テープストレージ「IBM Storage Deep Archive」を組み合わせ、大容量データの長期保存に適した環境を構成します。 東京大学とNTT東日本は、日本IBMの技術支援のもと、AI時代に求められる医療・研究データの安全な長期保存と将来的な利活用を支える、高信頼なデータ保存基盤の実現をめざします。 本取り組みの概要 本検証では、東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野 牛久 哲男 教授の知見を踏まえ、病理標本をデジタル化した高精細な病理画像データ等を用いて、長期保存、検索・取り出し、将来的なAI解析・再解析や研究利用を想定したユースケースの検証を実施します。これにより、デジタル病理の進展に伴い増大する大容量データを、長期間にわたり安全に保存し、必要に応じて利活用できる環境の実現をめざします。 NTT東日本は、ネットワーク、クラウド/データセンター、セキュリティ等の設計・構築・運用で培ってきたノウハウを活かし、インターネットを介さない閉域ネットワークによる安全なアクセス基