木造建築プラットフォーム企業 株式会社エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区、代表取締役社長:田鎖郁男、以下エヌ・シー・エヌ)は、株式会社良品計画(東京都文京区、代表取締役社長:清水 智、以下良品計画)が展開する無印良品の新木造店舗「無印良品 精華台(京都府相楽郡精華町)」において、構造計算、建築環境設計、および構造資材の供給を担当いたしました。また、グループのシナジーを活かし、株式会社KINOBIMによるBIM(Building Information Modeling)の作成も行うとともに、自社が展開する「大規模木造建築ネットワーク」の供給体制を基盤とした、設計から資材供給にいたるまで本プロジェクトを多角的に支えています。 ※大規模木造建築ネットワークとは:エヌ・シー・エヌが組織する、中大規模の木造(非住宅)建築に対応可能な全国の有力な建設会社(登録施工店)のネットワーク。高度な構造計算技術が必要となる大型木造建築において、地域の建設会社と連携し、設計サポートから確実な構造資材の調達・供給までを全国規模で可能にするプラットフォームです。 「無印良品 精華台」 エヌ・シー・エヌはこれまで良品計画が中期経営計画で掲げる「ESGトップランナー」の思想に基づき、2024年に誕生した「無印良品 唐津」「無印良品 日田」の木造化を支えてきました。その実績をベースに、さらなる進化モデルとして「無印良品 精華台」に参画。無印良品の木造店舗として初めて、防火対策において厳しい基準が設けられている地域に対応した木造サステナブル建築を全面サポートいたしました。 現在、脱炭素社会の実現に向けて建築物の木造化への関心が高まる一方、市街地などの「防火地域」における大規模建築は、火災時の安全確保の観点から鉄骨造やRC造を選択するのが業界の常識でした。また、中大規模建築の木造化は、特殊な資材や複雑な設計プロセスにより「鉄骨造に比べてコストが高くなる」という経済的な壁も存在していました。 エヌ・シー・エヌと株式会社MUJI HOUSEは、2003年の事業開始以来、構造パートナーとして累計3,000棟以上の住宅・建築の施工実績があります。今回の「無印良品 精華台」はこれまで培ったノウハウを応用し、高度な「構造計算」を実施する自社開発の「SE構法(木造ラーメン構法)」を提供。これにより、高い耐震性と、柱のない開放的な大空間を両立させました。 本建物は、「延焼防止建築物」にて計画し、高性能の防火技術と安全対策を講じることで、万が一の火災時にも延焼を一定時間遅らせ、お客様が安全に屋外へ避難するための時間を確保しています。 さらに、京都府産の地域スギ材を含め約290㎥使用した地産地消(炭素貯蔵量計212トン)や、店舗の一次エネルギー消費量の収支を実質ゼロにする『ZEB』認証の取得は、エヌ・シー・エヌの高度な環境設計の成果です。MUJI HOUSEとのパートナーシップのもと、構造・環境設計技術によって都市部における大規模木造建築の可能性を大きく広げました。 エヌ・シー・エヌは今後、最先端の建築DX(BIM)と自社開発の構造・環境設計、そして効率的な資材調達までを包括した「木造建築プラットフォーム企業」として、これまでネックとされていた「規制」と「コスト」の壁を破り、木造における計画可能な経済合理性を実現し、日本の脱炭素社会を力強く牽引してまいります。 ※株式会社MUJI HOUSEは「無印良品」の木造店舗の設計・施工を一手に担う企業です。 ■「無印良品 精華台」を支えるエヌ・シー・エヌの技術 1. 火災時、すぐに崩壊せず「安全に逃げる時間」を稼ぐ防火基準をクリアし、木の魅力をそのまま魅せる「燃え代設計」 火災時に木材の表面が燃えることをあらかじめ想定し、構造上必要な断面にその分の余裕を持たせて設計する「燃え代設計」を採用しています。万一の火災時にも表面の炭化層が内部への燃え進みを抑制し、建物の延焼による倒壊を防ぎ、万が一の火災の際の避難時間を確保します。 ▲燃え代設計を取り入れた柱部分 今回の設計では、最新の建築基準法改正の内容を踏まえて耐火被覆の範囲を綿密に見直し、構造材の「木の現し」をより広く実現しました。また、木の見え方に配慮した設備機器の設置ルールを独自に設けて施工することで、木本来の美しさを最大限に活かしています。 なお、この「木造なのに火災に強い(「木の現し」や「燃え代設計」)」という仕組みの詳細について、事前にメディア向けに開催した見学会においても、質問を多くいただく関心の高いポイントとなりました。 2. 「SE構法」による7m×7mスパンの柱のない大空間 自社開発の木造ラーメン構法「SE構法」を採用し、商業施設に不可欠な「柱が少なく見通しの良い開放的な大空間