三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 植田 俊、以下「三井不動産」)は、2026年6月4日(木)、KISARAZU CONCEPT STORE(以下「KCS」)開業3周年を記念したイベント「巡る服の可能性を現場で考えるツアー」を開催いたしました。 KCSは、ファッションロスや在庫課題に対する新たな循環の仕組みを創出する実験拠点として、2023年6月に開業した施設です。開業3周年にあたり開催した本イベントには、国内外のファッションブランドや繊維商社、設計・施工会社、リサイクル関連事業者、大学、メディアなど多様な約60の企業・団体からサステナビリティ分野の担当者を中心に70名を超える参加者が集まり、登壇者の実践的な知見に熱心に耳を傾けるとともに、循環型ファッションの未来について理解を深めました。 イベントは、KCS立ち上げメンバーである三井不動産 佐野川靖による開会挨拶でスタート。その後の基調講演では、株式会社スズサン 井上彩花氏が登壇し、有松・鳴海絞の技術継承に向けた顧客との関係性づくりについて紹介いただきました。 続くパネルディスカッションでは、株式会社ユナイテッドアローズ、Free Standard株式会社、サーキュラーカーボン株式会社、三井不動産から計4名が登壇し、「ファッション製品のエンド・オブ・ライフをどう設計する?」をテーマとしてファッション業界における循環型社会の実現に向けた取り組みや課題について議論。アパレル、リコマース、再資源化技術、場づくりというそれぞれ異なる立場から意見を交わしました。 イベント後半には館内ツアーや綿花の種植え体験、参加者同士の交流会なども実施され、熱気あふれるイベントとなりました。KCSでは、今後もこうした体験や交流の機会を通じて、循環型ファッションへの理解を深めるとともに、サステナビリティに関する新たなつながりやアクションが生まれる場とコミュニティの創出に取り組んでまいります。 パネルディスカッションの様子 ■開催のご挨拶 三井不動産株式会社 商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部 本部長補佐 佐野川 靖 イベント冒頭では、KCSの立ち上げに携わった三井不動産 佐野川が挨拶を行いました。 佐野川は、KCSの構想が、新型コロナウイルス感染症拡大により在庫問題が改めて顕在化した2020年に始まったことを振り返るとともに、その後のKCSの歩みについて紹介。2023年6月の開業を経て、メーカーやブランドの最終在庫を新たな価値として再編集・販売するとともに、その収益の一部をリサイクルやアップサイクル活動に還元することで、ファッション業界におけるサステナビリティアクションを推進する「場とコミュニティの創出」を目指してきたと述べました。 また、KCSでは開業後の3年間で約160社の企業・団体が参画し、150回を超えるサステナビリティ関連のイベントやワークショップを開催してきたことを紹介。ブランド企業の研修や学校教育の場として活用されるほか、端材活用やアップサイクル企画など、多様な実践が生まれていることを報告。そのうえで、「ファッション製品のエンド・オブ・ライフをどう設計するか」という今回のテーマについて、アパレル、リコマース、再資源化技術、場づくりなど、循環型ファッションに関わるさまざまな立場の実践者が一堂に会する貴重な機会であると述べ、参加者同士の交流や新たなアクションの創出への期待を示しました。 三井不動産 佐野川より開催のご挨拶 ■基調講演 株式会社スズサン Business Strategy Manager 井上 彩花氏 続く基調講演では、株式会社スズサン 井上彩花氏より、「伝統工芸・産地技術を次世代へ継承するために、ブランドと顧客がどのような関係性を築くべきか」をテーマに講演いただきました。 井上氏は、日本各地の伝統工芸産地が職人の高齢化や後継者不足といった課題に直面している現状に言及。そのうえで、約400年の歴史を持つ有松・鳴海絞の技術を活用したブランド「suzusan」の取り組みを通じて、伝統技術を未来へつなぐためには、作り手や産地の背景を顧客に直接伝え、継続的な関係性を築くことが重要であると語りました。 また、職人の手仕事による規格外品の販売、産地や協力工場を紹介する情報発信、産地見学・ワークショップの実施、修理やケアの取り組みを紹介。「サステナビリティの実現のためには回収やリサイクルの仕組みの議論だけでなく、作り手と使い手との継続的な関係性を再考することも大切な視点」との考えが示され、参加者は製品そのものだけでなく、その背景にある人や技術、地域の価値をどのように次世代へ継承していくかについて理解を深め、熱心に耳を傾けていました。 株式会社スズサン 井上氏による