日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)と国立極地研究所、ドリームスタジオ、テレビ朝日、朝日新聞社が主催する特別展「大南極展」が、2026年7月1日(水)に開幕します。 特別展「大南極展」メインビジュアル 南極観測70周年を記念して開催する本展は、未知なる極限の大地・南極における観測活動と、その最前線の挑戦に迫る展覧会です。会場では、臨場感あふれる大型映像や、強風下での観測隊の活動を再現したブリザード体験、34万年前の地球の記録が刻まれたアイスコアや、南極で発見された貴重な隕石(いんせき)の実物展示などを通して、南極で行われている観測活動を楽しみながら体感いただけます。 南極は人間活動の影響が少なく、地球環境の変化を直接的に捉えることができる場所であり、氷床・大気・海洋・生物の相互作用を観測する上で欠かせない重要なフィールドです。日本はこれまで約70年にわたり観測を継続しており、その長期データは気候変動の解明や将来予測に大きく貢献してきました。南極を知ることは、地球の過去をひもとき、未来を見通すことにつながります。本展は、南極観測隊が担う多様な ミッションを楽しく学ぶ場であるとともに、地球の未来について新たな視点から考える貴重な機会となるでしょう。この夏、南極を通して地球の未来を考える本展に、ぜひご来場ください。 スノーモービルフォトスポット ©山本倫子ペンギンセンサス体験 ©山本倫子 展示詳細 本物の南極の氷にさわれる 南極で採取された “本物の氷” に実際に手で触れることができます。何千年・何万年も前に降った雪に、いま自分が触れているという不思議な感覚は、ほかでは味わえません。手に伝わる冷たさを感じるとともに、透明度や細かな気泡の入り方をじっくり観察できます。 本物の南極の氷にさわれる体験エリア ©山本倫子 深層アイスコアを間近で観察 南極の氷床の深部から採取されたアイスコアを、間近で観察できる特別展示です。アイスコアは、国立極地研究所の低温室で厳重に保管される貴重なサンプルで、一般公開されること自体が非常にまれです。透明な氷の内部には、積雪当時の空気や気温、降水など、地球環境の変化の痕跡などがそのまま閉じこめられており、地球の気候変動を読み解く “タイムカプセル” として扱われています。本展では深さ2,499メートルから掘削された、34万年前の空気を含んだアイスコアの実物をご覧いただけます。実際にアイスコアの掘削に使用されたドリルもあわせて展示。南極観測の意義とダイナミックさを実感できる、科学ファン必見のエリアです。 南極氷床から掘り出されたアイスコア ©国立極地研究所 ブリザードを体験! 南極のブリザードは、強い風と舞い上がった雪で視界が急激に奪われる気象現象です。地表の雪が巻き上がるため、たとえ雪が降っていなくても周囲は真っ白になり、目の前の目印さえ見えなくなる “ホワイトアウト” に近い状態が発生します。風速や視界不良の度合いによってA・B・C級に分類され、強いブリザードは観測隊の行動を止めなければならないほど危険です。南極で建物同士を結ぶロープをたどって移動するのは、この視界不良の中で安全を確保するための知恵でもあります。本展では、この過酷な自然を安全に体感できるよう、強風と視界不良をそれぞれに分けて再現。観測隊がどんな環境で研究を続けているのか。その一端を自分の体で確かめられる、本展ならではの体験です。 南極のブリザードを体験できるエリア ©山本倫子 本物の隕石にさわれる! 持てる! “隕石採集の聖地” と呼ばれる南極で見つかった本物の南極隕石を展示します。南極では白い氷上に黒い隕石が露出するため発見しやすく、氷河の移動によって長年かけて一か所に集まります。このため国際隕石学会に登録されている隕石の約60%が南極で採取されているという、驚くべき数字につながっています。日本の観測隊も1969年以降に約17,400個もの隕石を採取してきました。本展ではその中から厳選した30点以上の実物サンプルを公開。手でさわれる・持てる鉄隕石や、月・火星から飛来したと考えられる希少隕石も登場します。さらに、大阪・関西万博で展示され話題を呼んだ「さわれる火星隕石(スライス)」の実物も展示。南極と宇宙がつながる、知的好奇心を刺激するエリアです。 南極で採取された鉄隕石 ©国立極地研究所 南極の生き物を知る 南極の厳しい環境で暮らすペンギンやアザラシの生態を、標本展示や観察ドームを通して立体的に観察できるエリアです。あわせて紹介する「ペンギンセンサス」は、営巣地でペンギンの数を毎年記録し、繁殖や個体数の変化を追う長期調査。観測隊が実際に行っている重要なモニタリングで、南極の生態系の “今” を知る手がかりとなっています。このエリ