【報道関係者各位】 2026年6月29日 株式会社ヘンリー 医療法人正幸会 正幸会病院(大阪府門真市・56床)と株式会社ヘンリーは、病院向け基幹システムであるクラウド型電子カルテ「Henry」に生成AIを組み込み、病院の記録業務を“AIを前提とした運用フロー”へと再設計する実証実験を共同で検証しました(2026年4月20日〜6月5日)。 今回の実証実験の要点は、個々の作業を速くしたことではなく、記録業務のフローそのものをAI前提で組み替え、工程を減らした点にあります。スタッフはカルテ画面を離れることなく、会話しながら記録を完成できるようになりました。 その結果、医師・看護師・リハビリセラピストの3部門と事務において、記録業務を全職種合計で月間約386時間削減できる試算(※1)となりました。例えば、退院サマリ(医師)の作成時間は、従来の約40分から約4分へと約90%短縮しております。(実測) 実証実験の背景 : 人手不足と経営難のなか、「選ばれる病院」になるために 医療現場は、人手不足と経営難の二重苦に直面しています。病院の正規雇用看護職員の離職率は11.3%、中途(既卒)採用者では16.1%(※2) に達し、人材の確保と定着は経営の生命線になっています。一方で経営は厳しく、医業利益が赤字の病院は約7割にのぼり、100床あたりの医業利益は7年連続の赤字(※3)が続いています。 こうしたなか、病院が生き残るには、患者にも働き手にも“選ばれる”必要があります。その鍵となるのが、限られた人員でも回る生成AIを前提とした業務フローの構築です。効率化はもはや福利厚生ではなく、経営課題そのものになりつつあります。とりわけ全国に約7,000ある中小病院は、人材・資金の制約が大きい一方、これまで電子カルテに組み込まれ、業務フローを生成AI前提で設計する実証事例はほとんどありませんでした。本実証実験は、中小病院がクラウドネイティブ型電子カルテに組み込まれた生成AIを活用し、業務フローを構築し、Before/After実測データを公開した初の事例(※4)になります。 実証実験の内容 : 「生成AIを前提とした運用フロー」への転換 本実証の主目的は、これまでの業務をそのまま生成AIに置き換えることではなく、生成AIを使うことを前提に、業務フローそのものを設計し直した点にあります。その結果、紙へのメモや転記といった、これまで当たり前だった工程そのものが不要になりました。 たとえば看護ラウンド中の記録業務では業務が多忙な影響で電子カルテを利用しても、従来は「①病室で患者を観察 → ②紙に看護記録をメモ → ③紙にバイタルをメモ → ④ナースステーションに戻りカルテに転記」という5つの工程を要していました。生成AIを前提に組み替えた後は、「①病室で患者との会話を録音 → ②文字起こし中にバイタルを入力」のわずか2工程に減少しています。看護記録記載作業と所要時間が大幅に削減できたため、転記や二重のメモ書きという工程自体が消え、1件あたり約1~2分で、内容の充実した看護記録が完成します。 こうした運用を可能にするのが、音声入力(記録)からサマリ生成までを単一のカルテ内で一気通貫に処理するアーキテクチャです。スタッフはカルテ画面を離れる必要がなく、カルテの実データと音声データを根拠にAIが文書を生成するため、速さと正確性が両立します。すべての記録はAI生成後に担当者が確認・承認するのみとなるため、業務負担が大幅に軽減されます。また、従来の大病院向けオンプレミス型や、既存カルテに外付けで連携する型とは異なり、クラウドネイティブな病院向け電子カルテに機能を内蔵している点が特徴です。そのため、最新のAIモデルの利用が可能になったり、記録のたびに手を止め、外付けアプリへ移り、コピー&ペーストでカルテに戻すといった作業が不要になります。 実証実験の削減効果 : 音声入力による削減(188時間)と文書(サマリー)AIによる削減(198時間)を合わせ、全職種合計で月間約386時間の削減(試算)となりました。 実証実験に参加した現場の声 正幸会病院 理事長/院長 東 大里氏 「現在、AIは診療補助の位置づけとして、診断支援や画像読影などの分野においてその有効性を発揮しています。 今後は、汎用人工知能(AGI)の開発が進展することで、AIはさらに大きな役割を担うようになり、これまでの「補助的な存在」から、AIを中心とした医療のあり方を念頭に置く必要があると考えています。 また、スマートロボット技術の発展も加速すると考えられ、医療現場はこれまでにない変革期を迎えるでしょう。私たちは今まさに、その劇的な変化の入り口に立ち会っていると感じています。 今回の実証実験を通じて、AIが医療現