博報堂生活総合研究所は1986年から10年毎に、60~74歳男女を対象としたアンケート調査「シニア調査」を行ってきました(調査概要は下部をご覧ください)。雇用期間の延長など社会環境が大きく変わる中、家族、コミュニティとの関係性やライフスタイルなど幅広い生活分野におけるシニアの意識や行動の変化が調査結果から明らかになりました。 家族、集団、責任から離れ、 「ひとり」を楽しむシニアへ 40年間で家族との連帯、地域コミュニティなど集団への所属、責任ある仕事への意欲は低下。一方で、一人行動や一人飲食への意向は大きく上昇しました。シニアの意識は、“みんなと一緒”を前提にした暮らしから、“ひとり”を楽しむ暮らしへと変化しています。 “家族で一緒”へのこだわりは弱まる 「家族といる時に生きがいを感じる」 30年間で-9.0pt / 「大家族で住みたい」40年間で-20.1pt 集団への所属、責任ある役割への意欲も低下 「趣味や地域の会などグループに参加している」40年間でー19.7pt / 「責任ある仕事、地位に就きたい」 40年間でー7.9pt 3人に2人が「一人行動派」、一人飲食意向は約3倍に増加 「仲間とより一人で行動することが多い」は66.4%と、ほぼ3人に2人へ。 「一人で喫茶店、レストラン、バーなどに行きたい」は48.6%で、40年間で約3倍に増加。 孤立ではなく、自分らしく楽しむための“ひとり”へ 「変わっているね、といわれるとうれしい」40年間で+14.9pt / 「冒険を求めるほうだ」 40年間で+6.4pt 夫婦も“ずっと一緒”から“それぞれ”へ。約4割に“卒婚”意向 「一緒のお墓に入りたい」、「共通の趣味を持ちたい」といった“夫婦はずっと一緒”意識は大きく低下。 また、理想の夫婦像は上下関係のないフラットな「友達夫婦」へと収れんしています。 離婚意向は1割程度に留まる一方、離婚してはいないが夫婦が互いに干渉せず生きる、という「卒婚」の意向は約4割。夫婦関係にも“一緒にいる”ことより“それぞれを尊重する”意識が広がっています。 「一緒のお墓」「共通の趣味」意向が2割以上低下 「配偶者と一緒のお墓に入りたい」30年間で-21.2pt / 「夫婦で共通の趣味を持ちたい」 30年間で-24.3pt 理想の夫婦像は「友達夫婦」が約8割に 「亭主関白」「カカア天下」は共に低下し、「友達夫婦」が2026年には77.3%とほぼ8割に。 離婚意向は1割程度だが、卒婚意向は約4割 離婚意向ありは12.7%に留まる。 一方で、卒婚意向ありは39.5%と約4割にのぼる。 男女別では男性30.4%に対し、女性48.3%と約半数が卒婚意向あり。 【卒婚の定義】 離婚してはいないが、夫婦が互いに干渉せず生きること 「老人」は75.9歳、「お年寄り」は75.8歳から。 60代は「ミドル以上、シニア未満」の曖昧なライフステージに。 「老人」「お年寄り」など、シニア的な呼称がふさわしいとされる年齢は70代半ばまで上昇。60代からは縁遠いものになりました。一方で、人生における60代の位置づけを見ると、「趣味に生きる時」「実りの時」「再出発の時」といった節目感は低下。雇用期間や健康寿命の延伸の中で、60代は中年の延長でも、従来型のシニアの入口でもない、「ミドル以上、シニア未満」とでも言うべき曖昧なライフステージになりつつあります。 「老人」「お年寄り」は70代半ば以降の呼称に 1986年は「老人」といえば71.5歳からだったが、2026年は75.9歳からに。 「お年寄り」も1986年72.8歳から2026年75.8歳へ。 60代は「実り」や「再出発」の時期ではなくなる 「60代は趣味に生きる時」は40年で-12.4pt。 / 「実りの時」も40年で-6.7pt。 「再出発の時」、「余生」は2016年まで上昇していたが、2026年には反転し減少へ。 シニア調査 調査概要 ■ 2026年調査 ・調査手法:訪問留置自記入法 ・調査期間:2026年1月14日〜2月13日 ・調査対象:60歳〜74歳の男女 ・調査地域:首都40Km圏 ・企画分析:株式会社博報堂 博報堂生活総合研究所 ・実施集計:QO株式会社 ・調査人数:首都圏 700人 ■ 1986年、1996年、2006年、2016年調査