行政DXを手掛ける株式会社グラファー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:石井大地、以下「グラファー」)は、デジタル庁が一部をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開している「ガバメントAI 源内」(*1)のコードを活用し、ガバメントクラウドに採択された国産クラウドサービスであるさくらインターネット株式会社の「さくらのクラウド」上で、国産LLMと組み合わせて動作する「国内完結型」のソブリンAI(*2)環境を独自に構築し、技術検証を実施しました。「ガバメントAI 源内」のOSS公開部分のコードを、国産クラウド基盤および国産LLMと組み合わせて動作させた取り組みは、国内初となります(*3)。 この技術検証は、クラウド基盤・LLM・アプリケーションの三層を国内主体のサービス・技術で構成することにより、特定の海外クラウドサービスへの依存リスクを低減し、データ統制や安全保障上の要件が厳しい中央省庁・自治体が、機密情報を安全に扱いながらAI活用を進めるための新たな選択肢の可能性を提示するものです。 (*1)「ガバメントAI 源内」:デジタル庁が構築した政府組織を対象とした生成AI利用環境です。2026年4月に、そのうちの一部がOSSとして公開されています。本取り組みは、公開されたOSSをグラファーが独自に活用して実施した技術検証であり、「ガバメントAI 源内」そのものの提供・実装を行うものではなく、また、デジタル庁による関与・承認を示すものではありません。 (*2)ソブリンAI:他国の法律や外国企業の意向に左右されず、自国のデータ、AI処理、運用統制を国内で完全にコントロールできる独立したAI環境のこと。 (*3)2026年5月時点。デジタル庁がOSSとして公開しているガバメントAI「ガバメントAI源内」の一部コードを、ガバメントクラウドに採択された国産クラウド基盤および国産LLMと統合して動作検証を行った事例として(自社調べ)。 背景 (1)AIが抱える「安全保障上のリスク」 官民ともに生成AI活用が急速に進む一方、インフラやLLMの大部分を外資系企業に依存せざるを得ない安全保障リスクも指摘されています。2025年12月に閣議決定された人工知能基本計画においても、国産LLMの活用推進が政策優先課題に位置づけられ、「行政データを国内で完結させたい」という省庁・自治体の需要が高まっています。 (2)「ガバメントAI 源内」の一部OSS公開 2026年4月、デジタル庁は「ガバメントAI 源内」の一部をOSSとして公開したことで、民間事業者等が、公開されたコードを活用し、それぞれの環境や要件に応じたシステム構築・技術検証を行うことが可能になりました。 (3)行政実務に即したAI活用の必要性 行政機関での生成AI活用においては、機密性を担保するローカルLLMの活用や、ガバメントクラウド環境に最適化されたAIエージェントへのニーズが急速に高まっています。グラファーは、従来から民間向けにAIソリューションを提供する一方で、行政機関からのソブリンAI 本取り組みの概要:完全国産構成のソブリンAI検証環境の構築 グラファーは、自治体における各種AIエージェントの実証・導入や、民間事業者向けのAIソリューション開発等の経験を活かし、「ガバメントAI 源内」のOSS公開部分を活用して、クラウド基盤・LLM・アプリケーションのすべてを国内主体のサービス・技術で構成したソブリンAI検証環境を構築しました。 (1)国産クラウド「さくらのクラウド」で稼働 OSSとして公開されているコードを、国内で管理可能なインフラ環境上で円滑に動作するよう独自に構成・最適化し、ガバメントクラウドに採択された国産クラウドサービス「さくらのクラウド」上での稼働を確認しました。 (2)「国産LLM」の組み込み統合 本検証環境では、海外の外部APIを利用せず、日本国内で開発された国産LLM(LLM-jp、PLaMo)を採用しています。AIモデルを「さくらのクラウド」環境内に直接組み込んで処理することで、データが海外のサーバーやネットワークを経由するリスクを抑制します。 (3)データの国内統制の確保 実務で発生するチャットログ、プロンプト(指示文)、検証データなどはすべて、国内で運営・管理されるサーバー内のみで処理・蓄積されます。これにより、外国法の直接的な適用を受けない環境の確保に取り組んでいます。 今後の予定 今後も当社は、行政機関におけるソブリンAIの活用可能性について、継続的に調査研究を進めてまいります。特に、特定のクラウドサービスや海外AIモデルに過度に依存しない選択肢の確保、為替やサービス仕様変更等の影響を踏まえたコスト予見性、行政データや業務プロセスに対する統制・説明可能性、