国立アイヌ民族博物館(北海道白老町、野本正博 館長)では、第12回特別展示「コソンテとルウンペ」を2026年9月19日(土)~11月23日(月・祝)まで開催いたします。 アイヌの盛装「コソンテ」。その名は、きものの原型である「小袖」に由来するアイヌ語です。本州で武家女性が身につけていた小袖は、アイヌ文化のなかで男性が儀礼の際に羽織る装いとなりました。 また、その布は「ルウンペ」の文様や装飾にも活かされ、新たな衣服へと姿を変えていきます。用いられる布や糸は実に多彩で、素材の選び方や色の組み合わせ方、文様のつくり方には、作り手それぞれの感性と創意がうかがえます。 本展では、コソンテ(北海道)やルウンペを通して、アイヌと本州の交流から生まれた多彩なファッションの世界をご紹介するとともに、現代へと受け継がれる技と表現にも注目します。 ルウンペ 釧路市立博物館蔵 1.展示の内容 第1章 コソンテ コソンテには、武家女性が身につけていた小袖や舞台衣装など、さまざまな時代の染織品が用いられています。なかには、樺太アイヌのコソント(樺太)として伝わる、貴重な安土桃山時代の小袖もあります。また、神謡にはコソンテをまとったカムイがたびたび登場し、アイヌ文化において重要な衣服であったことがうかがえます。本章では、現存するコソンテやコソントを一堂に展観します。 コソンテ 国立アイヌ民族博物館蔵コソンテ 国立アイヌ民族博物館蔵 第2章 コソンテとルウンペ コソンテは着るだけでなく、その布も大切に活用されました。ルウンペには、小袖の布を大きく飾ったものや、細く裁って文様を表したものなど、多様な表現が見られます。18世紀に博物館へ収蔵されたことが知られる古い資料にも、小袖の布がふんだんに用いられています。本州からもたらされた布を素材として取り入れ、生み出された衣服や意匠に注目します。 ルウンペ 国立アイヌ民族博物館蔵ルウンペ 浦河町立郷土博物館蔵 第3章 小袖の世界 江戸時代、小袖は女性たちの装いの中心でした。本章では、武家女性や大奥の女性たちが身につけた小袖の世界をご紹介します。重要文化財に指定されている安土桃山時代の小袖をはじめ、多彩な染織品から当時のファッションをひもときます。あわせて、アイヌの文様が歌舞伎衣装やきものにも取り入れられたことに注目し、装いを通じた文化交流の広がりをたどります。 第4章 さまざまなルウンペ ルウンペには、小袖に由来する絹布をはじめ、木綿やウール、ヨーロッパのプリント布まで、多彩な素材が用いられています。作り手たちは、それぞれの布の色や柄を生かしながら、一針一針刺繍を重ね、文様をつくりあげました。本章では、布選びや刺繍に込められた工夫と、多彩なルウンペやエムシアツ(刀掛帯)などの服飾品のデザインをご紹介します。 ※下線部「シ」と「ツ」は下付き小文字 ルウンペ 国立アイヌ民族博物館蔵ルウンペ 国立アイヌ民族博物館蔵 第5章 ルウンペの現在 受け継がれてきた技術を大切にしながら、新たな技法やデザイン、配色を取り入れて生まれた現代のルウンペをご紹介します。現代の素材や色味、質感の工夫により、華やかな作品から落ち着いた趣の作品まで表現はさまざまです。伝統を守る思いと新しい表現への挑戦が重なり合う、今の時代に息づくルウンペをぜひご覧ください。 2.関連イベント 関連イベントを以下の日程で開催します。詳しい内容については、特別展示ウェブサイトをご覧ください。 ■ 関連シンポジウム アイヌの衣文化について、歴史、交流、技術、修復などさまざまな視点で考えます。 ※時間等について、特別展示ウェブサイトにて公開予定です。 日程:10月31日(土) 場所:北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎) ■ アイヌ文様を刺繍した小さい巾着を作ろう! 布にアイヌ文様を刺繍し、小さな巾着をつくります。 ※参加費や定員などの詳細は、後日、当館Webサイトにて公開予定です。 日時:10月4日(日)・24日(土)、10:30~・13:30~(90分) 場所:国立アイヌ民族博物館 交流室 ■ ギャラリートーク 本展担当者が展示室で見どころを解説します。 日程:9月26日(土)、10月10日(土)、11月3日(火・祝)、8日(日)、14日(土) 時間:14:00~(30分)、11月3日(火・祝)のみ2回開催(10:30~・14:00~) 場所:国立アイヌ民族博物館 特別展示室 定員:20名 ※予約不要、当日先着受付 ■ バッグにアイヌ文様を描いてみよう! バッグにクレヨンでアイヌ文様を描いたり、トゥレッポんのスタンプを押したりして、オリジナルのエコバッグを作るイベントです。 ※参加費や定員などの詳細は、後日、当館Webサイトにて公開予定です。 日時:9月21日(月・祝)13