サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江 剛、以下「サイカルトラスト」)は、2026年6月15日~19日にかけてフランス(サン=ドニ)で開催された「ISO/TC307(ブロックチェーン及び分散台帳技術/WG8:資産のトークン化ワーキンググループ)」の国際標準規格会議において、個社単独で日本代表プロジェクトリーダー(PL)として主導する国際標準規格提案「ISO 26345」が、反対・棄権のない全会一致で採択されたことをお知らせいたします。 (※1)2026年6月22日時点、日本国内で公開された特許文献、学術文献、および企業・研究機関の公表資料を対象とした弊社調査によります 第1章 ブロックチェーンを利活用したサプライチェーンの「真正性(トラスト)」に関する国際標準規格とは? 「ISO 26345」は、特定のブロックチェーン・分散型台帳種別・トークン規格を固定しない「実装中立」の規格であり、既存基盤の上に疎結合として追加的に重ねられるフレームワークとなっています。これにより、特定ベンダーや特定国の技術への囲い込みを避けつつ、グローバルサプライチェーンが相互運用可能な形で「真正性(トラスト)」を担保・検証できる基盤を提供できるようになります。 今日、各国はすでに独自のサプライチェーン・システムを導入しており、それぞれが分断(サイロ化)された状態にあります。このため、当該領域における相互運用は長らく「不可能」とされてきました。 弊社はこの課題に対し、単なる「相互運用性(インターオペラビリティ)」の確保にとどまらず、物理資産(商品・製品等)、非物理資産(データ・コンテンツ等)、ならびに両者を統合したハイブリッド資産(RWA等)という、あらゆる資産の真正性(トラスト)を担保・検証し得る基盤的フレームワークを国際的に提案し、その採択を獲得いたしました。 第2章 「ISO 26345」とは ? ~ 真正性を支える「CoP(Chain of Provenance:チェーン・オブ・プロヴィナンス = 来歴連鎖)」 ~ 具体的には、「ISO 26345」は、あらゆる資産が「統合」と「分離」を繰り返しつつ移転していくサプライチェーンを対象とします。本規格は、こうした移転の過程に生じる「CoP(来歴連鎖)」を、次の観点からエンドツーエンドに担保・検証可能とするものです。すなわち、第一に記録の完全性、第二に主張の帰属の明確性、そして第三に連鎖そのものの連続性・整合性・網羅性・妥当性です。これらを統合的に検証し得るフレームワークとして、本規格は位置づけられます。 単一の資産の正確性(データの完全性)を担保する従来の規格とは異なり、本規格は「複数の資産間で関係性がどう変化してきたかという来歴の連鎖全体」を検証対象としている点に独自の新規性があります。 例えば、自動車の製造に例えてみます。 従来の仕組みが「目の前にある完成した自動車(一つのデータ)に欠陥がないか・真正性(トラスト)が担保されているか」を、その時点で確認するものだとします。一方、弊社が国際提案した規格は、「エンジンやタイヤなど様々な工場で作られた数多くの部品(複数のデータ)が、いつ、どこで、どのように、どの企業によってどう組み合わされてこの一台の車になったのか?」という、部品から完成品に至るまでの「履歴のつながり全体に不正がないことを証明できる規格」というイメージです。 第3章 社会的インパクト (1)すべての国民・産業を守る「真正性(トラスト)」の国際フレームワーク基盤 世界の模造品被害額は年間約645兆円とされます(※2)。模造・偽造された製品や部品は、半導体・医療機器・自動車・航空など、人命に直結する最終製品にも混入しています。「ISO 26345」は、「その製品・部品・データは真正性(トラスト)が担保されているか」を国際的に検証可能とすることで、消費者保護、循環経済における環境主張の真正性(「カーボンフットプリント情報」や「Scope3」の見える化)、責任ある調達(強制労働排除等のデューデリジェンス)まで、幅広く社会の真正性(トラスト)基盤を支えます。 (※2)Frontier Economics. ”The economic impacts of counterfeiting and piracy.” International Chamber of Commerce (ICC), BASCAP, & INTA. 2017. (2)高市政権の国際標準化推進戦略との親和性 高市政権は、AI・半導体をはじめとする「戦略17分野」において、日本に有利な国際標準規格づくりを主導する方針を掲げ、61の製品・技術について2030年度までの国際標準化推進を「統合イノベーション戦