最初は冷え切った雰囲気の会場でしたが… crack株式会社(本社:東京都中央区)の代表・大野陣が、2026年6月11日(水)、宮崎県で創業98年を迎える老舗ゼネコン・株式会社坂下組の「安全衛生の集い」にて講演を行ないました。 テーマは、「AIに奪えない仕事をしている方々へ ── 建設業の誇りと、伝え方を採用にどう生かすか」。 参加した約250名の社員および協力会社の皆様に対し、「AIの進化によって現場の仕事の価値がいかに跳ね上がっているか」、そして「その誇りを言語化し、採用難を突破する『自社肯定感』の重要性」についてお話しさせていただきました。 創業98年の老舗ゼネコンが直面する課題 ── 人手不足と理念浸透の壁 人手不足が深刻な建設業界 今回、坂下組様から弊社へ講演のご依頼をいただいた背景には、地方の建設業界が抱える切実な「採用難」と、現場における「理念浸透の難しさ」がありました。 宮崎県の建設業における有効求人倍率は5倍を超え、人が集まらないだけでなく、若手の早期離職も大きな課題となっています。建設会社の人手不足は全国的な問題ですが、地方ではその深刻さが一層際立ちます。 坂下組の坂下利一郎社長は、目前に迫る「創業100周年」に向けて、「社員や協力会社の皆に、自分たちの仕事の素晴らしさ(自社肯定感)を再認識してほしい。そして、それを採用の武器にしたい」という強い思いを抱いておられました。 しかし、単に「うちの会社は素晴らしい」「理念を大切にしよう」と上から語りかけても、現場で日々汗を流す職人の方々には響きません。過去の安全大会でも、外部講師の話が現場の温度感と合わず「場が凍る」という苦い経験があったそうです。 そこで白羽の矢が立ったのが、企業の「無自覚な魅力」を発掘し、ARTや音楽で可視化するcrack株式会社でした。 crackが企業の「無自覚な魅力」を発掘し、ARTで可視化した実例(裕進運輸様) AIの進化によって到来した「ブルーカラー・ビリオネア」の時代 現場の方々に「自分たちの仕事の価値」を納得してもらうため、大野が講演の入り口に選んだのは、意外にも「AI(人工知能)」の話題でした。 「AIなんて俺らには関係ない」── そう思われがちな建設現場の方々に対し、大野は真正面から世界の潮流を突きつけました。 「今、AIに仕事を奪われているのは現場の人間ではありません。涼しい部屋でパソコンをいじって高い給料をもらう『ホワイトカラー』の仕事です」 みずほ銀行の大規模な人員削減や、住友商事が全社員にAIスキル評価を導入した最新事例を提示。その上で、世界中で「AIを動かすためのデータセンター」を建設しているのは人間の手であり、アメリカでは20代の電気工事士が年収4,000万円を稼ぐ「ブルーカラー・ビリオネア」の時代が到来している事実を語りました。 坂下組様の社旗の前で熱弁をふるうcrack代表・大野陣 「AIはコードを間違えても『元に戻す』ボタンがあります。でも、建築の現場には『元に戻す』ボタンはない。コンクリートを打ったら一発勝負です。だからこそ、人間の手が必要なんです。皆さんは、AIに絶対に奪われない領域のど真ん中にいるんです」 この「二段論法」により、会場の空気は「AIへの不安」から「自分たちの仕事への圧倒的な誇り」へと一気に変わりました。 事実は同じでも「求人の文章の書き方」だけで「届く人材」が変わる 仕事の価値が上がっているということは、求職者が「会社を選ぶ」時代になったということです。第2幕では、宮崎県の有効求人倍率のデータ(5.37倍)を示しながら、「選ばれる会社になるための自社の見せ方」へと話題を転換しました。 大野は、事前に坂下組様の歴史や実績を徹底的にリサーチし、外から見た「無自覚なすごさ」を抽出。それを実際の求人原稿のレベルにまで言語化して見せました。 たとえば、「98年の歴史がある」という同じ事実でも、 ・「創業98年。堅実経営の建設会社で施工管理」(安定志向向け) ・「宮崎空港、宮崎港、ダム、トンネル。あなたの仕事が地図に残る」(ロマン・成長志向向け) と、書き方を変えるだけで刺さる人材が全く異なることを実証。 「BtoB企業にありがちな『いい仕事をしていれば、わかる人にはわかる』という時代は終わりました。自分たちの素晴らしさを自覚し、自分たちの言葉で語れる力。それが『自社肯定感』であり、最強の採用戦略になるのです」 理念は「説教」ではなく「誇りの結晶」 講演の終盤、大野は「経営理念」の本質について語りました。 「理念は、上から押し付ける『説教』ではありません。現場の泥臭い事実から抽出された『誇りの結晶』です。自社肯定感が高まった時、壁に貼ってあった理念は初めて『自分の言葉』になるんです」 最後に「皆様が