2016年の初開催から10周年を迎えた04 Limited Sazabys主催の野外フェス「YON FES」。記念すべきアニバーサリーイヤーとなった「YON FES 2026」が彼らの地元である愛知県は愛・地球博記念公園(通称モリコロパーク)にて6月20日、21日の2日間に渡り開催された。しかしあれから10年とは。毎年「YON FES」に訪れる度に1年の早さを実感するが、10年という決して短くない時間すら一瞬に感じるほど、「YON FES」という場所が僕らの人生において欠かせない場になっているのだろう。 今年の「YON FES」は、初日は豪雨、そして2日目は猛暑という、フェスの醍醐味をダブルパンチで食らわせてくれた、ある意味天候に恵まれた2日間となった。雨も太陽も似合ってしまうのだから「YON FES」は罪なやつだ。そんな「YON FES 2026」にはフォーリミを含めた全21バンドが出演。降りしきる雨の中、照り付ける太陽の下、2日間に渡り繰り広げられた愛・熱戦烈戦超激戦。10年目に相応しい特別な日になったことは言うまでもない。 初日である6月20日には04 Limited Sazabys、ELLEGARDEN、Fear, and Loathing in Las Vegas、Fire EX.、KOTORI、OKAMOTO'S、SHANK、THE BOYS&GIRLS、the cabs、THE ORAL CIGARETTES、ハルカミライが出演。降水確率100パーセントを叩き出す中で、雨にも負けず、なんなら雨すら味方につけ、その状況丸ごと楽しむ姿がモリコロパークにあった。 YON FES初日、SKY STAGEのトッパーはハルカミライ。雨だろうがなんだろうが、心の望遠鏡で覗くならば、ロックシーンに花を咲かすためならば、誰がなんと言おうと今日は晴天。橋本学が「いい天気だな」と満面の笑みで言うもんだから、物事の角度を変えればどんなことだって肯定に変わるのだと目から鱗が落ちる。この後、ハルカミライに続きLAND STAGEに登場する盟友THE BOYS&GIRLSに触れ、ずっと一緒にやってきた仲間にバトンを繋ぐ意味、喜びを噛みしめ、「雨なんてぶっ飛ばしといてやるから」と仲間のために有言実行雨を吹き飛ばすなんて、やっぱりそうか、ここが世界のど真ん中だ。 盟友からバトンを受け取ったのはTHE BOYS&GIRLS。この数日睨めっこしていた天気予報は100%雨。ところがどっこいTHE BOYS&GIRLSが歌い始めると雨なんてどこか行っちゃうんだから、ハルカミライとTHE BOYS&GIRLSの友情パワーといったらもう。ギターを掻き鳴らしながらワタナベシンゴがフォーリミの「monolith」を歌い、フロアに飛び出していって記念撮影する場面もあり、結成15年目、遅れてやってきたルーキーがその羅針盤を頼りに札幌で続けてきたパレードがYON FESに繋がったことを他でもないワタナベシンゴが誰よりも嬉しそう。いつだって今日だってそのコンバースの足跡は嘘をつかないってことだ。 2日間できっと何度も訪れるだろうピークのひとつを、独自のやり方、在り方で作り上げたのは意外にもYON FES初登場のFear, and Loathing in Las Vegasだ。ラウド×パラパラという本来相反するものをがっちゃんこさせるアイディアとセンス、重厚サウンドに軽やかダンスなんて、はっきり言って発明である。「小便漏らせー!」というSoの謎の煽りも、いやいや、言われなくとも漏らしそう。当時、ラスベガスがシーンに登場したことで確実にひとつのカルチャーが誕生したわけだが、そのパイオニアがパイオニアである所以を「YON FES」でもパーティーボーイたちがしっかり証明してくれた。この狂乱は雨なんかには止められない。 Fire EX.のステージには深く胸を打たれた。26年間に渡って台湾のパンクシーンを築き続けるFire EX.が国を超えYON FESに立てた旗。音楽に国境がないならば、あらゆる壁も壊せるはず。細美武士を迎えた「Don't You Fight」が鳴り響く中、「戦わない」という戦い方から感じたFire EX.のメッセージ。彼らの存在は台湾と日本を、音楽をもって繋ぐことだろう。この時代に鳴るべくして鳴っているパンクに心が動かないわけがない。「YON FES」の10年間の歴史においても海外のバンドの出演はFire EX.が初とのこと。ほら、もうすでに歴史は動いている。 より一層強まる雨の中、YON FES皆勤賞のSHANKはそんなことお構いもなくいつも通りの、だけど確かに熱を帯びたライブを見せてくれた。大粒の雨が降り頻る中で「Weather is Beautiful」だ