デザインリサーチコレクティブACTANT FOREST(所在地:東京都渋谷区、共同代表:株式会社ACTANT 南部隆一 他)は、2026年8月より、リジェネラティブコイン「FoR(フォル)」の実証実験を開始いたします。 FoRは、ブロックチェーン技術を活用したデジタルコミュニティ通貨です。「自然にいいことが、私たちの暮らしに還ってくる」というコンセプトに基づき、様々なケアを可視化し、自然資本を循環させるためのオルタナティブな通貨としてデザインされました。 決済のたびに、その10%が自動的に「森の再生基金(Collective Wallet)」にプールされるよう設計されたFoRは、「つかえばつかうほど、森が豊かになる」という従来の通貨にはない効果をもたらします。日常の決済にFoRが加わることで、私たちの消費行為そのものが、意識せずとも自然再生の原資へと変わっていくのです。 世界中の自然環境、日本の山林・里山が直面している課題を乗り越えるために、FoRは通貨という媒体を通して、自然を再生するケア活動と地域経済とを接続します。 FoR 公式サイト|https://forforest.app/ FoR ホワイトペーパー|https://forforest.gitbook.io/for 開発の背景 経済の「外部性」を修復し、自然ともう一度つながるために 現代の都市型経済は、自然が提供する多大な恩恵を「価格ゼロ」として外部化することで成り立っています。例えば森林が提供する保水機能、土壌保全、生物多様性の維持といった「生態系サービス」は、経済的価値に換算すれば莫大な金額になりますが、既存の金融システムは、短期的利益を最大化するように設計されているため、数十年、数百年単位の時間軸を持つ自然資源のケアには資金が届きにくいのが現状です。海や川、森の手入れ、土壌の再生、それらを担うローカルコミュニティの維持といったケア活動は、GDPに換算されにくいがゆえに、不可視化され、過小評価されてきました。 TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のような情報開示の枠組みをはじめ、自然資源再生のための新たな仕組みづくりが世界中で試行錯誤されていますが、森林や里山が直面しているのは、単なる資金不足や人手不足ではありません。現場の活動から見えてくるのは、「ファイナンス」「インセンティブ」「コミュニケーション」という3つのレイヤーにおいて、ケアの循環が分断しているという社会の構造的な課題です。FoRは、この構造に横断的に介入し、経済活動がそのまま自然資源の維持・再生へと向かう「リジェネラティブな通貨」を実現するべく開発されました。 FoRの3つの特徴 FoRは、ブロックチェーンだからこそ可能な透明性と自動執行の仕組みによってこの構造に横断的に介入し、以下の3つの特徴によって自然資源の再生を実現します。 1. Finance|消費を再生に直結させる、自動的な資金還流 FoRによる決済のたびに、その一部が自動的に「森の再生基金(Collective Wallet)」へ還流します。寄付のように能動的な意思決定を必要とせず、日常の経済活動そのものが森の再生への資金供給となる仕組みを、コードレベルで実装しています。 また、プールされた資金は将来的に、地域で森をケアする活動や担い手へと分配されます。これにより、市場で過小評価されている自然の価値を顕在化させ、ローカルな活動者へ資金を届ける導線を整えます。 2. Incentive|持続可能なケア活動を支える交換スコア FoRを交換するほどユーザーのステータス(交換スコア)が上昇します。これまでボランタリーに担われてきたケア活動を可視化し、それぞれの貢献度に応じて正当なインセンティブを与えることができます。 また、ステータスは時間の経過とともに減衰し、通貨を貯め込むよりも、「使う(循環させる)」方が有利になるよう設計されています。これにより、法定通貨とは異なったかたちで、現場のケア活動への継続的な参加とモチベーション維持の機会を提供します。 3. Communication|つながりを生み出すメディア FoRを交換する際、ブロックチェーン上に「どのようなケア活動に使ったか」「どのような自然資源を交換したか」といったストーリーを記録することができます。この機能により、「点」として孤立しがちだったケア活動に取り組む団体・組織同士のつながりを生み出すとともに、都市部の消費者に活動の背景や実態への理解を促します。 FoRによる決済は、単なる価値の移転ではなく「行為や経験を促すメディア」となり、金銭授受を超えた関係性を構築します。 技術基盤 「自然再生のお金が、ちゃんと回っている」と誰もが確認できる「安心」と「実感」をしくみ化するため