◾️調査結果の概要 LGBTQと教育に17年間取り組む、認定NPO法人ReBitは、『学校における性的指向・性自認に係る取り組み及び対応状況調査(2023-25年度)』を実施しました。本調査は、2022年度に続き2回目となる大規模調査です。 「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(以下、SOGI理解増進法)」の施行後、2023年6月23日(金)から2026年3月31日(火)までの期間に、小学生から大学生30,407名、教職員・保育者等2,015名から回答をいただき、学校現場における性の多様性に関する取り組みや相談環境について分析しました。 SOGI理解増進法では、学校において、①教育・啓発、②教育環境の整備、③相談機会の確保が求められています。しかし、本調査からは、法施行前に実施した2022年度調査と比較しても、実態に大きな変化は見られず、学校現場への実装は依然として不足していることが明らかになりました。 また、2026年6月に示されたSOGI理解増進法の基本計画においては、若年層への普及啓発にあたり、心身の発達に応じた対応が求められています。本調査では、保育・教育を担う幼稚園・保育園・認定こども園の教職員・保育者の68.5%が就学前から、小学校教職員の96.9%が就学前・小学校段階から、LGBTQや多様な性について教え始める必要があると回答しました。また、小学生の82.0%が、LGBTQや多様な性について学びはじめる時期は就学前・小学校段階からの段階がよいと回答しました。学校・保育現場の実感からは、幼少期から年齢や発達段階に応じたかたちで学びを積み重ねていくことの必要性が示されています。 教職員のLGBTQに関する学びや対応の経験には差があり、すべての子どもが安心して学べる学校環境を実現するためには、LGBTQや性の多様性に関する学びを、学習指導要領、教員養成課程、そして現職教職員研修へ明確に位置づけることが重要です。 『学校における性的指向・性自認に係る取り組み及び対応状況調査(2023-25年度)』結果 ◾️調査概要 期間:2023年6月23日(金)から2026年3月31日(火) 対象・方法:ReBitが出張授業を実施した学校や行政等のうち、同意をいただいた機関において、教 職員・保育者等(幼稚園・保育園・認定こども園〜高校)および児童生徒・学生(小学校高学年〜大学)を対象にアンケート調査を実施。 回答:教職員調査では2,015名から回答をいただき、うち有効回答1,793名を分析しました。また、児童生徒調査では30,407名から回答をいただき、うち有効回答29,592名を分析しました。 ◾️教職員調査より ①教育・啓発 1. 幼保の教職員・保育者の68.5%が「小学校入学前まで」に、小学校教職員の96.9%が「小学校在学中まで」に学び始める必要があると回答 本調査では、幼稚園・保育園・認定こども園等の教職員・保育者の68.5%が「就学前から」、小学校教職員の96.9%が「就学前・小学校段階から」、LGBTQや多様な性について教え始める必要があると回答しました。また、小学校教職員のうち63.6%は、「就学前から」または「小学校低学年から」に教え始める必要があると回答しています。 一方で、現在の小学校教科書におけるLGBTQや多様な性に関する記載は、中学年以降となっています。 政府の基本計画では、若年層への普及啓発にあたり「心身の発達に応じた対応」が求められています。本調査からは、日常的に子どもの発達段階に応じた保育・教育を担う現場の教職員・保育者が、幼少期や小学校低学年から、発達段階に応じた形で学びを積み重ねていくことの重要性を認識していることが明らかになりました。今後は、教科書や教材、授業づくりにおいても、発達段階に応じながら、より低学年から段階的に性の多様性について知る内容をどう位置づけていくか検討することが求められます。 なお、SOGI理解増進法上の「学校」には、幼稚園および特別支援学校の幼稚部は含まれていません。しかし本調査からは、小学校入学前の子どもたちと関わる幼稚園・保育園・認定こども園等においても、現場で働く教職員・保育者からは、「性の多様性に関する教育・啓発の必要性がある」と認識されていることが示されました。 2. 教科書への掲載が進む一方、教職員の認知や授業実践には課題 本調査の対象期間は、LGBTQや多様な性に関する内容の教科書掲載が大きく進んだ時期でもあります。2024年度からは中学校、2025年度からは小学校のすべての発行社の保健体育・道徳教科書に、LGBTQや多様な性に関する内容が掲載されています。 一方で、「現在の勤務校で使用されている教科書に、LG