アジア・アフリカ・ウクライナで紛争被害者の自立支援を行う認定NPO法人テラ・ルネッサンス(本部:京都府京都市、理事長:吉田真衣)は、コンゴ民主共和国東部で拡大するエボラ感染症の最新状況と、現地で続く支援活動についてお知らせします。 現在、現地ではエボラ感染症だけでなく、30年以上続く紛争、避難生活、医療体制の崩壊、安全な水の不足など、複数の危機が同時に人々を苦しめています。 こうした状況の中、当会は南キブ州で給水設備の整備を継続。現在、合計5か所の給水ポイントから約2,000世帯、13,000~15,000人以上へ安全な水を届けてると共に、エボラ出血熱の感染拡大予防のための緊急支援を開始しています。 ▼手洗い所設置・啓発活動についてはこちら https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000238.000029166.html ■コンゴ東部で、人々を苦しめる5つの現実 ①終わらない紛争──豊かな資源が紛争を長引かせる現実 コンゴ民主共和国東部には、金やタンタル、スズ、タングステンなど、世界中で必要とされる鉱物資源が豊富に眠っています。 これらは、私たちが毎日使うスマートフォンやパソコン、自動車などに欠かせない原材料です。 日本に暮らす私たちの便利な暮らしも、その豊かな資源の恩恵を受けています。しかし、産出地であるコンゴ東部に暮らす人々の生活は豊かさとはほど遠く、その鉱物資源をめぐる利権が武装勢力の資金源となり、30年以上にわたって紛争が続いてきました。 さらに2024年、武装勢力M23の侵攻によって東部コンゴの治安は急速に悪化し、多くの人々が再び避難生活を余儀なくされています。 ② エボラ感染症の拡大 2026年6月24日時点で、コンゴ民主共和国では1,094人の感染が確認され、277人が命を落としています。 感染の中心となっているイトゥリ州では、今回流行している「ブンディブギョ型エボラ(ブンディブギョウイルス) 」に対し、承認済みのワクチンや特異的治療薬はありません。現在、この流行はイトゥリ州に留まらず、隣接する北キブ州、そして当会が活動を展開する南キブ州へと影響が波及しており、予断を許さない状況が続いています。 さらに、治安の悪化や人口移動も重なり、感染拡大を食い止めることは容易ではありません。 特に子どもへの影響は深刻で、6月19日時点で子ども・若者は確定症例の約15%、死亡の25%超を占め、子どもの致死リスクは成人の約2倍とされています。 ③ 安全な水の不足 エボラをはじめとする感染症対策で最も重要なのは、手洗いなど基本的な衛生環境です。 しかし、紛争の影響を受けた地域では、安全な水を手に入れること自体が困難です。水がなければ、感染症を防ぐことも、子どもたちの健康を守ることもできません。 ④ 医療・衛生環境の崩壊 武力衝突が続く地域では、医療施設そのものが十分に機能していません。 ・診察を受けられない ・薬がない ・衛生用品も不足している こうした状況の中で感染症が広がり、多くの命が危険にさらされています。 ⑤ 生計を立てる手段の喪失 感染拡大や治安悪化による移動制限は、人々の暮らしにも大きな影響を与えています。 ・市場へ行けない ・農作物を売れない ・仕事ができない。 病気だけではなく、「働けない」「食べられない」という現実が、多くの家庭を追い詰めています。 コンゴ東部に暮らす人々は、いま、エボラで命を失う危険だけでなく、感染対策や医療崩壊によって働けない、売れない、移動できない、治療を受けられない、子どもを守れないという形で暮らしも脅かされています。 紛争で避難し、貧困で蓄えがなく、清潔な水や医療へのアクセスが乏しい世帯ほど、エボラは「病気」ではなく、生命・生計・尊厳を同時に奪う危機になっています。 ■ 命を守るための、緊急支援――私たちにできること テラ・ルネッサンスは、2006年より20年間、コンゴ東部での「平和構築」に取り組んできました。 武装勢力の資金源となる紛争鉱物に頼らなくても暮らせるよう、乳製品加工や養蜂などの代替産業を育て、子どもたちが武装勢力に徴兵されることを防ぐため、学校へ通うための教育支援も続けています。 しかし2024年以降、武装勢力M23の侵攻によってコンゴ東部の情勢は急速に悪化し、今回のエボラ出血熱の拡大により、最悪の複合的人道危機に陥っています。今、最優先で守らなければならないのは、人々の命です。 ●安全な飲み水へのアクセス――「命の水場」の設置 テラ・ルネッサンスは現在、南キブ州で紛争下に暮らす人々への緊急的な支援として、天然水を利用した安全な飲み水・給水所の建設を続けています。2025年秋から整備を進めてきた給水設備は、現在、合計5か所完成し、稼働して