特定非営利活動法人リヴォルヴ学校教育研究所(本部:茨城県つくば市、理事長:小野村 哲)は、2000年11月に「ライズ学園(現・むすびつくばライズ学園)」を立ち上げて以来、「みんなちがってみんないい」をモットーに、不登校やLD(学習障害)などと言われる子どもたちの学びと育ちのサポートに取り組んでまいりました。不登校児童生徒数が過去最多を更新し、教育の多様化が求められる現在、当法人は次なるステージへと歩みを進めるにあたり、新たなスローガンとして「Learn Different. ちがいを力に!」を策定いたしました。 1. 新スローガン策定の背景:「ライズ学園」で確信した、本来、子どもたちがもつ「学ぶ力」 「ちがい」があるからこそ、「協力」や「創造」も生まれます。オルタナティブ・スペース「むすびつくば ライズ学園」では、個性豊かな子どもたちの興味や関心に寄り添い、その子なりの学びと育ちをあと押しし続けてまいりました。 2024年4月には、同じ市内で2009年から「つくば市民大学」を運営していた「ウニベルシタスつくば」と協働し、子どもから大人までが集う新たな学びと交流の拠点「むすびつくば:ライズ学園 × 市民大学 + リブラリウム」をスタートさせています。 むすびつくばライズ学園 フリースペース(左)と学習スペース(右) ライズ学園にやってくる子の中には、読み書きに困難を示す子も少なくありません。すっかり自信をなくし、「自分は何にもできない」と言った子もいました。しかし、対話を中心としたり、鉛筆をキーボードに替えたりすることで、最難関といわれる大学や大学院に進んだ卒業生が何人もいます。 私たちが目指すところは、子どもたちの生涯を通じた Well-being であって、大学等に送り込むことではありません。しかし、自分らしく居ることが難しい状況にある子を見て、「無気力」だとか「できない子」と決めつけてはいけないとも考えます。 25年余りの活動の中で確信したのは、子どもたちは本来「学ぶこと」が大好きだということです。苦手があっても、別なところで特異な才能を示す子も少なくありません。いずれにしても、一人ひとりが時代を担う大切な存在であることは言うまでもありません。私たちスタッフも、ちがいを学び、ちがいから私たち自身のあり方を学び続けたいと思います。 書くことに苦手意識のある子が世界遺産について調べ、それをスタッフがホワイトボードに整理しています。どこをどうまとめたいかを上手に伝えることも大切な学び。「好き」や「得意」を生かす支援に努めています。 2. 「Learn Different」に込めた思い:「学び方のちがい」を尊重し、ちがいに「やさしい社会」を 一般に LD は「Learning Disabilities」の略とされ「学習障害」と訳されます。しかし私たちはこれを「Learning Differences:学び方のちがい」と捉えています。 単語テストでは different を「違い」と訳せば正解です。しかし、different は本来「別の方向に(dif)進んでいく(fer)こと」を意味します。否定を意味する in- をつけた indifferent は「(変化がなくて)つまらない/無関心」となるなど、different は日本語の「違い」にくらべてよりポジティブでダイナミックです。英単語を日本語に置き換えて、それで「わかったつもり」にしてしまう。それこそが、学校教育が抱える課題だともいえます。 幕末の日本を訪れたイギリス公使ラザフォード・オールコックは「日本は子どもの楽園だ。この国では、子どもたちが実に大切にされ、のびのびと育っている」と記しました。大森貝塚の発見で知られるエドワード・S・モースも「日本人は鞭で打つような激しい子育てを知らない」「日本人は弱い立場にある人々を差別するという考えを、そもそも持っていないようだ」と述べています。 日本の学校教育制度は国民の学力水準を高めた一方で、個性豊かな人々がその個性のままに暮らせる「豊かな土壌」を損ねてしまったことも確かです。私たちは、かつてオールコックやモースが目にした、本来この国にあった「ちがいにやさしい風景」を、今の時代に即した「新しい学び」として実現したいと考えています。 教科の学習だけでなく、安全や健康などをテーマとしたより広い学びをファシリテートしています。左は地元の警察署の協力を得て行った交通安全教室、右は昨年度中に計10回実施した調理体験の様子です。 3. 理事長メッセージ:すべての子どもたちに、ワクワクする「学びの機会」を イギリスには、「馬を水飲み場に連れていくことはできても、水を飲ませることはできない」という古いことわざがあります。私たちは、子どもたちが思いっきり