特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、2026年6月21日、オイスカ浜松国際高校にて、ふじのくに未来財団「静岡トヨタ自動車 ハイブリッド基金」助成事業「浜松発・世界とつながる防災カルタプロジェクト ―高校生リーダーが拓く多文化共生×防災教育―」の一環として、高校生を対象としたリーダーシップ研修会を実施しました。 本事業は、静岡県内に暮らす外国籍ルーツの住民、日本人住民、そして海外の災害リスクを抱える地域の人々に向けて、「やさしく、楽しく、実際に使える防災教育」を届けることを目的としたプロジェクトです。 今回の研修会では、参加した高校生たちが日本の防災の考え方、静岡県における災害リスク、多様な文化的背景を持つ人々とともに命を守るために必要な視点を学びました。その上で、「今、自分にできること」として、防災カルタの制作に取り組みました。 防災カルタを作成し、静岡県内および世界の防災啓発を行う 高校生が地域の防災リーダーに。カルタを通じて「誰ひとり取り残さない防災教育」へ 静岡県は南海トラフ地震をはじめとする大規模災害リスクを抱える地域です。一方、浜松地域を中心に、静岡県内には多くの外国籍ルーツを持つ住民が暮らしており、災害時には言語、文化、地域コミュニティとのつながりの違いが、避難行動や情報取得の大きな壁になる可能性があります。 本プロジェクトでは、そうした課題に対し、高校生リーダーが中心となり、子どもから大人まで理解しやすい「防災カルタ」を制作します。 カルタには、避難所での過ごし方、地震・津波・火災への備え、車社会における避難時の注意、助け合いの重要性、やさしい日本語やイラストによる防災情報などを盛り込みます。遊びながら学べる教材にすることで、日本語を母語としない人々や小さな子どもたちにも、防災を「自分ごと」として伝えることを目指します。 多文化共生社会静岡の防災における課題(助成金申請資料より) カルタ制作による「当事者意識」と「防災啓発」による課題解決モデル(助成金申請資料より) なかよし学園の海外防災教育の経験を、静岡の地域課題解決へ なかよし学園プロジェクトは、これまでコンゴ民主共和国、南スーダン、ウガンダ、カンボジア、シリア、ネパールなど、世界各地で教育支援・災害支援・平和教育を行ってきました。 2021年には、コンゴ民主共和国で発生したニーラゴンゴ火山災害に際して現地で災害支援活動を展開。その後、現地になかよし防災学校を設立し、災害時に命を守るための知識や避難行動を学ぶ機会づくりを進めてきました。 火山災害難民キャンプで支援活動を行うなかよし学園 火山直後の現地で活動を行なったなかよし学園パートナー団体からの支援要請により災害支援活動を行う日本で報道されない現地の様子をなかよし学園が伝えた現地ではパートナー団体と共に災害支援活動を実施 難民キャンプの子どもたちに笑顔をつくるなかよし学園 また、先日のネパール教育支援活動では、岐阜県安八町立結小学校の児童が制作した防災BOOKや新聞紙スリッパを活用し、ネパールの学校で防災教育を実施しました。日本の子どもたちが学び、考え、作った教材が海を渡り、災害リスクを抱える地域の子どもたちの学びにつながる。この経験は、今回の静岡県内での防災カルタプロジェクトにも生かされています。 結小学校作成の防災BOOKで日本の防災を教えるなかよし学園中村里英事務局長 本事業は、海外支援で得た知見を日本国内の地域課題に還元し、さらに静岡で生まれた教材を世界へ届ける「循環型の防災教育モデル」です。 ふじのくに未来財団「静岡トヨタ自動車 ハイブリッド基金」助成事業として実施 本プロジェクトは、ふじのくに未来財団「静岡トヨタ自動車 ハイブリッド基金」の助成を受けて実施しています。 静岡トヨタ自動車株式会社は、地域社会に奉仕する理念のもと、ハイブリッド車販売を通じた積立を活用し、地域課題に取り組むNPO・市民活動団体を支援する「ハイブリッド基金」を設立しています。 本事業は、同基金が掲げる「防災活動」への支援趣旨に基づき、災害時に弱い立場に置かれやすい子ども、高齢者、外国籍住民などを含め、誰ひとり取り残さない地域づくりを目指すものです。 特に今回は、高校生が単に防災を学ぶだけではなく、地域の課題を自ら捉え、教材を制作し、地域や海外へ届ける「担い手」となる点に大きな特徴があります。 日本の防災を静岡県内のあらゆるルーツの人へ届け、世界へ発信するプロジェクトが始動した 6月21日リーダー研修会開催 今回の研修会では、まず、なかよし学園が世界各地で行ってきた教育支援・災害支援活動を紹介し、防災教育がなぜ日本国内だけでなく世界中で必要とされているのかを共有しました。 続いて、日本の防災教育の特徴や、災害時