株式会社ROKI(本社:静岡県浜松市 代表取締役社長 島田貴也)は、実際の大気中に含まれる低濃度CO₂を直接回収し、従来より低温(80℃)で再生可能なフッ素フリー金属有機構造体(MOF:Metal-Organic Framework)を開発しました。 本技術は、CO₂を空気から直接回収する(DAC:Direct Air Capture)際の課題であるエネルギー消費の低減に貢献する可能性があり、産業排熱などの低温熱源を活用したCO₂回収プロセスへの応用が期待されます。 【本リリースのポイント】 ・大気(CO₂濃度:400〜500 ppm)からCO₂を直接回収 ・回収CO₂を100%相当※まで濃縮 ・フッ素フリー設計で環境・安全適合性、規制対応リスク低減 ・80℃で再生可能(従来より低温)、低エネルギー運用/排熱利用が可能 【技術の意義】 近年、地球温暖化対策やカーボンニュートラルの実現に向けて、大気中の低濃度CO₂を効率的に回収するDirect Air Capture(DAC)技術に関心・期待が高まる一方で、以下の課題が指摘されています。 ・回収エネルギーコストの高さ ・高湿度環境下での性能低下 ・材料の環境・安全適合性 今回開発したMOFは「低温で再生可能(80℃)」という特長により、従来よりも低エネルギーな運用が期待され、これら課題の解決に寄与する可能性が示されました。 今後、当社は本材料の装置適用評価を進め、CO₂回収・濃縮用途への展開を検証してまいります。 【開発した技術】 実験室内の大気を用いた評価において、以下の性能を確認いたしました。 吸着後 脱着後 出口CO₂濃度が検出限界値まで低下 回収CO₂濃度を100%相当※まで濃縮 これにより、低濃度CO₂を回収するだけでなく、再利用プロセスへの供給を見据えた高濃度CO₂として回収できる可能性が示されました。 ※「100%相当」とは、当社評価条件および測定条件下において、CO₂濃度が測定上ほぼ100%を示したことを意味します。 ※評価結果は当社評価条件に基づくものであり、実使用環境や装置仕様により性能は異なる場合があります。 大気CO₂回収 実験結果CO₂濃縮 実験結果 【技術特長】 比較項目 当社新開発MOF 従来MOF 吸湿性 20 wt% 40 wt% 材料設計 フッ素フリー 原料にフッ素を含む 再生温度 80℃~ 120℃~ ※従来のCO₂吸着MOFは、当社が比較対象として選定したフッ素含有MOFを指します。 ※各数値は当社評価条件下で取得した結果です。 ※再生温度は当社評価条件におけるCO₂脱離挙動に基づく指標です。 CO₂吸着等温線MOFカートリッジ(開発品) 【想定される活用領域】 本MOFは、以下のような活用を想定しています。 想定される活用先 適用イメージ DAC装置向け吸着材 DACで回収したCO₂をメタネーションや合成燃料化に活用 オフィス・商業施設 CO₂濃度管理による快適な室内環境づくり、知的生産性を支える 空気質制御 住宅・生活空間 室内CO₂濃度管理による快適性・QOL向上に向けた空気質制御 閉鎖・半閉鎖空間 換気が制限される空間におけるCO₂濃度制御 CO₂再利用プロセス 回収・濃縮CO₂の化学品、燃料、農業利用などへの供給 【今後の展開】 当社は、本材料の実用化に向け、以下の開発を推進いたします。 ●実機搭載を想定した賦形化 ●繰り返し吸脱着による長期耐久性評価 ●高湿度環境下での長期安定性評価 ●装置モジュールでの性能評価 ●低温熱源を活用した再生プロセスの検証 今後は、CO₂回収・濃縮技術の社会実装に向け、フィルトレーションおよびガス制御に関する技術知見を活かし、共同検証・技術連携も視野に研究開発を進めてまいります。 PDFファイルダウンロード 【株式会社ROKIの概要】 名称:株式会社ROKI(https://www.roki-jp.com) 代表:島田 貴也 所在地:〒431-3314 静岡県 浜松市 天竜区 二俣町二俣 2396 事業内容:自動車用ろ過機器、燃料電池関連システム、不織布マスクの開発・製造・販売 【本件に関するお問い合わせ先】 株式会社ROKI 新事業本部 お問い合わせ窓口: contact@roki-jp.com 【関連リンク】 有機溶剤を用いない水系合成プロセスでMOFの量産化・品質安定性に向けた独自製造技術を開発 (2026.6.10.プレスリリース) 【関連キーワード】 金属有機フレームワーク/有機金属構造体/PCP(多孔性配位高分子)/Metal-Organic Framework/多孔質材料/ガス吸着材/カーボンニュートラル/脱炭素/低環境負荷プロセス/フッ素フリーMOF/Direct Air Capt