株式会社Leach(本社:東京都、代表取締役CEO:冨永拓也、以下「当社」)は、転職エージェント向けAI選考管理システム「RecruitOS(リクルートOS)」の構想を公開し、本構想に共感いただける転職エージェント企業様を対象に、事前ヒアリングへのご協力者を募集いたします。本稿では、当社が転職エージェント向けAIマッチングシステムの開発を通じて把握した業界の構造的課題と、それに対する当社の問題意識についてお伝えします。 人材紹介業界は、日本国内だけでも約3万の事業所が厚生労働省に届け出ている巨大市場だ。しかしその業務の多くは、いまだに手作業とスプレッドシートに支えられている。当社はこの状況を「業界固有の構造的な問題」と捉えており、単なるツールの提供ではなく、業務プロセスそのものを再設計する必要があると考えている。 🔍「求人から候補者を探す」が、できない 当社は2024年末より、ある転職エージェント企業と共同で生成AIを活用した人材マッチングシステムの開発に取り組んできた。「働きやすさ」を軸にした転職支援サービスを運営する同社の役員が、最初に口にした課題はシンプルだった。 「候補者を起点に求人を探すのは得意なんです。でも、新しい求人が出たときに、それに合う候補者をデータベースから探し出す──これがうまくできていない」 同社では候補者データの管理にCRMを使っていた。一方で、求人情報はATS(採用管理システム)上にある。問題は、この2つのシステム間のデータ連携だ。 「ATSに掲載された求人票を、CRM用に手作業でコピペしています。ATSの『職務内容』や『補足事項』に散りばめられた情報を、CRMの『仕事内容』『必須スキル』『歓迎スキル』『リモートワーク環境』といった項目に分解して再編集する必要がある。ATSごとにカラム構造が異なるので、うまくCSVを変換してくれるベンダーにも出会えていません」 手作業のコピペ。2026年の今も、これが日常だ。 この課題は同社に限った話ではない。人材紹介業界では、候補者情報をCRMで、求人情報をATSで、選考進捗をExcelで、コミュニケーション履歴をメールやチャットで──と、業務データが4つも5つもの場所に分散している状態が珍しくない。ツールを導入すればするほどデータのサイロ化が進み、かえって業務が煩雑になるという皮肉な状況が生まれている。 SaaSの導入が進んだ結果、「ATSとCRMとExcelとLINEとメールの5つを常時開いている」というコンサルタントも珍しくない。ツールが増えるほど情報の転記作業も増え、本来やるべきマッチングや候補者対応の時間が圧迫される。業界全体が「ツール疲れ」とも呼べる状態に陥っている。 🧠 コンサルタントの頭の中を覗いてみると 当社はこの共同開発プロジェクトの中で、コンサルタントの実際のマッチング業務に同席し、その思考プロセスを詳細に記録する機会を得た。ベテランと呼ばれるコンサルタントが候補者と求人をどう結びつけているのか──その実態は、外から想像するよりもはるかに属人的だった。 たとえばあるコンサルタントが求人に合う候補者を探す場面では、CRM上でいくつかの基本的な属性で絞り込んだあと、そこから先の判断は明文化されていない暗黙知に支えられていた。 「同じ条件に見える候補者でも、実際にどう活躍してきたかを見て、推薦先を変えています。明文化はしていないですが、頭の中にはたしかにロジックがあるんです」 こうした明文化されていない判断基準は、書類の読み取り方ひとつにも及んでいた。 「言葉の選び方や書き方からも、ある程度の傾向が読み取れることがあります。最終的にはお会いしてみないと分かりませんが、推薦のしかたを工夫する材料にはなります」 こうした暗黙知の積み重ねがマッチングの精度を支えている。一方で、これらは個々のコンサルタントの頭の中に閉じており、組織として共有・継承する仕組みが整っていないケースも多いと、ヒアリングを通じて感じている。 ⚠️ なぜ転職エージェントはExcelから抜け出せないのか 当社の開発経験と複数のエージェント企業へのヒアリングを通じて見えてきた構造的要因は、大きく5つある。 ① 既存ATSは「人事部向け」であり「エージェント向け」ではない ATS(採用管理システム)は国内外に多数存在する。しかしその大半は、企業の人事部が自社採用を管理するために設計されたものだ。転職エージェントの業務は本質的に異なる。「複数の候補者」を「複数の企業」に同時に紹介し、それぞれ異なるステージで選考が進行する。企業人事向けATSはこの「多対多」のマトリクスを想定していない。結果として、ATSを導入しても結局Excelに戻ってしまうエージェントが後を絶たない。 ② コミュニケ