建設業界では今、資材価格の上昇、人手不足、賃上げ要請、そして受注競争が重なり、現場で働く技能者の処遇改善に必要な原資をいかに確保するかが大きな課題となっています。CCUSは本来、技能者一人ひとりの経験や能力を記録・蓄積し、適正な評価や処遇改善につなげるための仕組みです。しかし実際の現場では、制度の目的に対して、運用体制や評価基準の整備が追いついていないケースも少なくありません。その結果、CCUSは「技能者を評価するための仕組み」ではなく、まずは「各種情報登録や現場環境整備・就業履歴登録・管理を行うための実務負担」として受け止められやすくなっています。 問題は、CCUSそのものに価値がないことではありません。むしろ課題は、CCUSの価値を発揮する前段階で、現場運用の負担がボトルネックになっていることです。だからこそ、これからのCCUS活用では、単に登録を進めるだけでなく、現場で無理なく就業履歴を蓄積し、そのデータを技能者評価・協力会社評価・処遇改善につなげる運用設計が重要になります。 株式会社FIRSTは、CCUSを単なる情報登録制度ではなく、技能者の経験や能力を記録し、適正な評価につなげるための実務インフラとして定着させることが、建設業界の未来にとって重要であると考えています。 ◆調査実施の背景|CCUS運用における現場課題の把握 本調査は、元請企業におけるCCUSの利用状況と、現場運用上の課題を把握することを目的に実施しました。 CCUSは、技能者の就業履歴や経験を蓄積し、適正な評価や処遇改善につなげるための重要な仕組みです。一方で、現場で継続的に活用するためには、現場環境整備、協力会社への周知、就業履歴登録・管理など、日々の実務運用が欠かせません。そこで株式会社FIRSTは、2026年6月17日から6月20日に開催された「第8回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO 2026)」において、元請企業を対象に「CCUS利用に関する実態調査」を実施しました。本調査で明らかになった現場課題をもとに、CCUSの継続運用を支援し、技能者の適正評価につながる運用づくりに活かしてまいります。 ◆調査結果サマリー|元請企業におけるCCUS運用の現在地 本調査では、回答企業の74.5%がCCUSを現場で運用していることが分かりました。一方で、CCUS運用企業の79.5%が運用に負担を感じており、さらに82.1%の企業がCCUS運用に関する業務について改善の必要性を感じていることも明らかになりました。この結果から、CCUSの現場運用は一定程度進みつつあるものの、現場環境整備、就業履歴登録・管理、協力会社への周知など、継続運用に必要な実務面では依然として課題が残っていることがうかがえます。 CCUSを本来の目的である技能者の適正評価や処遇改善につなげるためには、現場の負担を抑えながら、就業履歴を継続的に蓄積できる運用設計が求められます。 ※各設問の割合は、当該設問への有効回答をもとに算出しています。 ◆詳細リポート|CCUS運用は「導入」から「継続運用」の課題へ 今回の調査では、元請企業におけるCCUSの現場運用時に感じている負担、今後の業務改善意向について確認しました。調査結果からは、CCUSの現場運用が一定程度進んでいる一方で、運用開始後の実務負担や、現場ごとの定着に課題を感じている企業が少なくないことが見えてきました。 【Q1. 現在、CCUSを現場で運用していますか?】 回答企業のうち、47.1%が「運用している」、27.5%が「一部の現場のみ運用している」と回答しました。これらを合わせると、74.6%の企業が何らかの形でCCUSを現場で運用していることになります。 この結果から、元請企業においてCCUSの現場運用は一定程度進んでいることが分かります。一方で、「一部の現場のみ運用している」企業も一定数存在しており、全ての現場で一律に運用できているわけではない実態もうかがえます。つまり、CCUSは「導入するかどうか」の段階から、「どの現場でも継続して運用できるか」という段階へ移りつつあります。今後は、導入済み企業においても、現場ごとの運用ばらつきを抑え、安定して就業履歴を蓄積できる体制づくりが重要になります。 【Q2. CCUS運用において、負担に感じていることは何ですか?】 CCUSを運用している企業に対し、運用上の負担を確認したところ、「協力会社への説明・依頼」が43.6%、「カードリーダー等や付帯機器の環境整備と管理」が38.5%となりました。 この結果から、CCUS運用の負担は、システム操作そのものだけではなく、現場で運用を成立させるための周辺業務に集中していることが分かります。 特に元請企業の場合、協力会社や技能者に対して運用方