株式会社方丈社(所在地:東京都・千代田区)は、相川清・著『なぜ会社は儲かっても人を豊かにできないのか』を2026年6月23日に刊行いたします。 日本企業は過去最高益を更新している。にもかかわらず、実質賃金は約30年間低迷したままだ。なぜ企業の成長は人々の豊かさにつながらなかったのか。本書は財務省の「法人企業統計調査」をはじめとする統計データを分析し、その原因が「利益を生み出せなかったこと」ではなく、「生み出した利益の配分が変化したこと」にあると指摘する。 日本企業の「分配のねじれ」は一枚のグラフに凝縮されている この図は1997年を100として、 日本の大企業(資本金10億円以上)における ・売上高 ・経常利益 ・配当金 ・実質賃金 ・設備投資 の推移を比較した独自の分析グラフです。 分析結果から浮かび上がるのは、日本企業における利益配分の大きな変化です。 売上高がほぼ横ばいで推移するなか、経常利益は大幅に増加しました。しかし、その増加した利益は賃金や設備投資には十分に回らず、実質賃金は低下し、設備投資も伸び悩んでいます。一方で、株主への配当金は約10倍にまで拡大しました。 企業が生み出した成果が、従業員への分配や将来の成長に向けた投資よりも、株主還元へと優先的に配分される構造が強まってきたことが読み取れます。 「企業は儲かっているのに景気が良くならない」の正体 多くの国民が感じてきた違和感がここにあります。 「企業業績は良いと聞くのに、自分の生活は豊かにならない」 本書は、その理由を数字によって説明します。企業利益、配当、ROE、賃金、設備投資、企業統治、財政政策――。それぞれを個別の問題としてではなく、一つの連続した構造として捉え直すことで、なぜ日本では企業が儲かっても賃金が上がらなくなったのかを可視化しています。 ROE至上主義は日本企業を強くしたのか 本書では、近年のコーポレートガバナンス改革やROE 重視経営にも踏み込みます。 株主利益最大化を目指す経営が、 ・人件費抑制 ・設備投資削減 ・自社株買いの増加 ・短期利益偏重 を促してきた可能性を検証しています。 数字上の効率性を追求する一方で、日本企業が長期的な成長力や人材への投資を失ってきたのではないかという問題提起を行います。また「企業は誰のために存在するのか」という経営の根本問題にまで踏み込み、日本型資本主義の再構築を提言しています。 「失われた30年」の間に日本企業は何を失ったのか 本書は単なる現状分析にとどまりません。 なぜ企業利益の増加が賃金上昇や国内投資につながらなくなったのかを解き明かしたうえで、企業が生み出した利益を人材育成、賃金、設備投資へと循環させるための具体策を提示します。 さらに、株主利益の最大化だけを追求する経営から脱却し、企業の持続的成長と社会全体の豊かさを両立させる「新しい日本型資本主義」の可能性を提言しています。 著者コメント 「失われた30年、日本で起きてきたことは自然現象でも、避けがたい運命でもない。いまの分配のかたちは制度や政策によってつくられてきた。であるならば、それらを問い直すことで、未来を変えることも可能なはずだ。本書が、賃金が上がらない日本の現実を、あきらめでも感情論でもなく、構造の問題として見つめ直すための一助になれば幸いである。」―― 相川 清 推薦コメント 失われた30年の「構造的要因」を丁寧に説明 「本書の著者は、企業経営の実務に携わる一方で、私の研究室にて修士課程を修了し、現在も博士課程に在籍する研究者である。企業財務とマクロ経済、ならびに日本政治の変質に目配りした分析を継続し、本書では、企業利益や株主還元が拡大する一方で、実質賃金が伸び悩むという現実に対し、その構造的要因を丁寧に解き明かしている。実務と理論、経済と政治を架橋する本書は、多くの読者に新たな視座を提供するはずだ。」――九州大学大学院教授 施 光恒(せ てるひさ) 書籍情報 書名:『なぜ会社は儲かっても人を豊かにできないのか ROE偏重による分配・企業統治の歪みを可視化する』 著者:相川 清 発売日:2026年6月23日 出版社:方丈社 定価:2,420円(税込) 仕様:A5判並製・オールカラー・288頁 ISBN:978-4-910818-40-5 HP:https://hojosha.co.jp/menu/1103631 Amazon:https://amzn.asia/d/04tnligb 楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/18632557/ 著者プロフィール 相川 清(あいかわ・きよし) 1969年佐賀県武雄市生まれ。福岡大学経済学部産業経済学科卒業。総合重電メーカーにて電力営業に従事した後、経営コ