東京・渋谷の街に、新たな音楽の歴史を刻む文化発信基地「Shibuya LOVEZ」が誕生した。 記念すべきオープニングシリーズ初日を飾るのは、日本の音楽シーンを牽引し続け今年デビュー30周年を迎えたT.M.Revolutionと西川貴教。2日間を日替わりで名義とコンセプトを完全に変えるという、極めて挑戦的なステージを提示した唯一無二の表現者による2公演をレポートする。 6月27日(土)「Shibuya LOVEZ OPENING SPECIAL LIVE 『T.M.Revolution REWIND OF VOTE JAPAN』」 超満員の会場。開演5分前から、フロアには自然発生的に割れんばかりの手拍子が鳴り響き、地鳴りのような「ターボコール」へと発展。溢れんばかりの熱気の中、フォーマルなスーツに身を包んだ西川貴教がバンドメンバーと共にステージに登場。オーディエンスに向けて丁寧に一礼を捧げると、おもむろに「Shibuya LOVEZにお集まりの党員、党友の皆様! 私たちがここに、Shibuya LOVEZ開業記念、令和8年度新党臨時党大会の開催を宣言いたします!」と、「宣言」を行なった。 2002年の『機動戦士ガンダムSEED』以来、共に歩んできた運命共同体ともいえる、本会場を運営するバンダイナムコホールディングスと、建設関係者への祝辞を述べると、手にした式辞用紙を上空へと大胆に放り投げ、オープニングナンバーの「Committed RED」からスタート。超満員の観客の手が一斉に天井へと突き上がった。 興奮の冷めない西川は、再び口上を放ち、「DOUBLE-DEAL」へ突入。再び式辞用紙を投げ捨てるアグレッシブなパフォーマンスに、フロアは激しい縦ノリで応戦する。「つい興奮しちゃって」と言葉を漏らしつつ、三度目の口上の後、「SWORD SUMMIT」へ。ハンドマイクに切り替えた西川がステージを左右に激しく動き回り、前に躍り出たバンドメンバーの演奏がさらに熱を帯びる。サビでの「カモン!」の声に地鳴りのような合唱が沸き起こると、その勢いのまま「Naked arms」へとシームレスになだれ込んだ。 西川は、「T.M.Revolutionがこの新しい会場の幕を切る大役を仰せつかり、非常に感慨深いです」と深い感謝を口にした。「人生続けてきたり、人との出会い、何気なく見ていたものが変わって、こんなに自分に近いところにあったんだと気づく瞬間がある」と語り、孔子の言葉を引用して「一を以てこれを貫く」と、自身の信念をフロアに示した。 グルービーなアンサンブルが映える「Save The One, Save The All」に続いて、ネクタイを大胆に引きはがして突入した「resonance」では、サビで合唱が響き渡る。間奏では「渋谷―!」と叫び、フロアをさらに沸かせた。 続くMCでは、前日に発生した山梨を震源とする地震や、接近する台風という不穏な天候について切り出した。この日のライブ開催を「ギリギリまで考えた」と、激しい葛藤があった胸の内を明かす。飛行機など遠方から足を運ぶファンの安全面への懸念や、「一日準備期間を置いた方がいいのではないか」という迷いもあったという。しかし、何よりも彼の前に立ちはだかったのは、新会場の「オープニングシリーズの初日」という大きな重責だった。「初日が中止なんて縁起が悪すぎる。しかも、そんなことになったら『やっぱり西川君がやるとめちゃくちゃになるわ』って一生言われそう(笑)」。そう語りながらも、最新の気象情報と真正面から対峙し続け、「とにかくアメダスとのにらみ合いだった」と明かし、フロアからは大きな拍手と歓声が沸き起こった。 西川の配慮は、悪天候や災害の影響によって、どうしても今日この場所に辿り着けなかったファンへも向けられた。「もしかしたら、今日そうした理由で来れなかった方もわずかいらっしゃると思う。もし周囲にそういう大切な仲間がいたら、ぜひ伝えてほしい。次、必ず笑顔で会えるように、僕はいつでもここで待ってます、と」。苦境を力技で突っぱねる強さと、誰一人として置いていかない優しさが詰まったその言葉に、会場は温かい拍手に包まれた。 スクリーンに『機動戦士ガンダムSEED』のダイナミックな映像が映し出され、「INVOKE」がスタート。この日使用されたガンダム映像は、今日のためにバンダイナムコフィルムワークスが特別に制作してくれたものという豪華なサプライズだ。曲がシームレスに続く中、西川は纏っていたスーツのジャケットをステージへと投げ捨て「いこうか渋谷!」と絶叫。「ignited−イグナイテッド−」ではフロアが全力のコール&レスポンスで応えた。 「Zips」で地響きのようなバスドラムが鳴り響く中、サビではこの日一番の声量となる地鳴