世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に、デザイン、アート、インテリア、ファッションなどが多彩なプレゼンテーションを開催する日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」。未来のスターを発掘し、毎年高い注目を集める30歳以下の若手クリエイター支援プログラム「UNDER 30」。第10回を迎える今年も国内外からの数多くの応募の中から、今後の活躍が期待される5組のクリエイターが発起人によって選出されました。 左から 竹内 瑠奈 / Fushi Sano + Mio Haruhana(Photo by Natsuki Tsunoda) / 鍋梨世知 / PULSE(Photo by Hinato Nishitani) / 今野 雅也(Photo by Ryuki Takano) 竹内 瑠奈 / デザイナー Selected by 青木昭夫 / MIRU DESIGN Composition / Perception 布の見え方や感じ方が変化する、その現象について考えた。布は光や空気、環境を受けとめながら、かたちや表情を柔軟に変えていく。布の上のコンポジション(色や柄の配置・構成)は、光や距離、視点によって異なる表情を見せる。本作では、布が時間や空間の中でどのように知覚され、その見え方がどのように変化していくのかを見つめ、その過程をひとつの現象としてとらえる。コンポジション(構成)とパーセプション(知覚)のあいだに生まれる、視覚と素材の関係を探る試みである。 竹内 瑠奈 Profile @runa_artworks テキスタイルを中心に、グラフィック、エディトリアル、空間など領域を横断して活動するデザイナー。2020年に多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻を卒業。「平面と立体」「素材と技術の融合」をテーマに、多様な表現に取り組む。現在はクライアントワークと個人制作活動の両軸で活動している。 Fushi Sano + Mio Haruhana / サウンドアーティスト/デザインエンジニア Selected by 小池博史 / NON-GRID BONE VOYAGE 多関節スライドリンク機構と骨伝導スピーカーを組み合わせた、鑑賞者の頭部に直接「音を注入」するインターフェース。植物のツタや人間の指を思わせる、有機的で滑らかなモーションを生むアームの先端には骨伝導スピーカーが組み込まれており、鑑賞者の頭部に接地し頭蓋骨そのものを振動板として機能させる。鼓膜を介さずに音を知覚させることで「頭蓋骨が耳になる」かのような身体的拡張を引き起こす仕掛けだ。最大の特徴は、モーターの動きと音響を連携させ、アームが頭部に触れるタイミングや接触そのものを作曲的に設計している点にある。伝達されるのは都市の環境音やそれらを加工した音など。 機械的でありながら生々しいアームの接触と音が同期し「見知らぬ何者かの記憶を脳内に直接注入される」かのような、未知なる聴取体験を生み出す。 Fushi Sano + Mio Haruhana Profile 佐野風史 @fu.fu.fu.fu.fu.fu 春花海緒 @haru_.hana 「聞こえ」そのものを編集可能な構成要素として捉え、音楽/音響を制作する佐野風史と、構造/力学の必然性を骨格として、動的造形を生み出す春花海緒によるユニット。 多様な音響デバイスと、有機的な意匠・動作を組み合わせることで、 まだ見ぬ新たな音響体験のための作品を制作する。 鍋梨世知(ナベナシセシル)/ デザイナー・アーティスト Selected by アストリッド・クライン、マーク・ダイサム / Klein Dytham architecture Tempura Objects / Tempura Products 「揚げる」ことは、食べ物をつくるためだけの技法なのだろうか。本作は、天ぷらを手がかりに、「揚げる」行為を、素材を変質させ、形を定着させる造形技法として捉え直す試みである。衣をまとわせ、油の熱で揚げることで、表面の色彩や質感、硬度が変化し、独自の構造体が生まれる。焼成や鋳造が工芸の歴史を形づくってきたように、「揚げる」という行為にも、熱と時間による素材変換の技法として、新たな工芸の可能性を見出す。本作は、「揚げる」ことを、工芸の新たな始まりとして提示するものである。 鍋梨世知 Profile @cecil_nabenashi 武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒業。現在、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻に在籍。油で素材を揚げる加工を用い、調理行為を造形技法として捉え直す制作を行う。工芸やデザインの視点から食文化における技法を再解釈し、素材の変質や加工のプロセスに着目した作