「IPPON NIPPON — the world’s echo —」キービジュアル 「IPPON NIPPON ーthe world's echoー」は、毎回異なるテーマを切り口とし、人と木の背景にあるコンテキストを紐解きアーカイブしていく実験的シリーズです。 日本の木をめぐる文化や技術、信仰、暮らしの記憶を手がかりに、人と木の心地よい距離感を探す、巡回型ダイアローグとして、合同会社887(ハチハチナナ)代表であり、VUILD株式会社(ヴィルド) COOを務める井上 達哉が発起人となって立ち上げました。 第1弾では、「木を読む」をテーマに、フランス・パリにて企画展「IPPON NIPPON PARIS|《Reading Wood 丨木を読む》」を開催します。 プロジェクト立ち上げの背景 日本では古くから、木は単なる材料ではありませんでした。 山を育て、木を伐り、家を建て、暮らしをつくること。 その一つひとつの背景には、命のつながりから、技術、習慣、信仰、美意識に根ざした見方や関わり方が息づき、それぞれ固有の土地の風土となり、文化を育んできました。 近年、世界では脱炭素や持続可能性への関心の高まりを背景に、木材利用への注目が集まっています。しかし私たちは、木の利用を増やしていくと同時に、途切れかけた人と木の間にあった見えない繋がりを再び結ぶことこそが、何よりも重要だと考えています。 IPPON NIPPONは、そうした木をめぐる文化や価値観に触れながら、人と木との関係を見つめ直すためのリサーチプロジェクトとして立ち上がりました。 プロジェクトで取り組むこと IPPON NIPPONは、木の文化や信仰、建築の技術や美意識、そして自然環境まで、毎回異なるテーマを掲げ、国内外の多様な地域を巡り、対話を重ねるシリーズ型のプロジェクトです。 身近な木に秘められた文化を手がかりに、多種多様な切り口やアプローチによって、その土地に息づく木との関わり方や価値観を読み解き、そこから見えてくる視点を現代へ接続することを試みます。 記された情報や記録を残していくだけでなく、複雑に絡み合ったコンテキストや視点、価値観を編み直し、これからの未来をつくる表現や態度のヒントを可視化していきます。 100年、200年先も木と人とがともにある未来を願いながら、改めて木を捉える眼差しについて考えていきます。 第1弾はパリへ。「木を読む」をテーマに、建築家・佐野文彦氏の作品を展示 会場BOLANDO(外観) IPPON NIPPONの第1弾の舞台は、フランス・パリです。 テーマは「木を読む」。 日本では古くから、大工や木こり、製材職人たちが「木を読む」という言葉を使ってきました。 木の強さや性質を見極めるだけでなく、年輪や杢(もく)、木肌から、その木が育った環境や歩んできた時間に思いを巡らせること。一本として同じものが存在しない木と向き合い、その個性を活かしていく感性は、日本の木の文化を語る上で欠かせないものです。 こうした感性は、侘び寂びの美意識や茶室建築、自然の形状を活かした建材や意匠材など、日本独自の建築文化や木の表現にも息づいています。 では、現代を生きる私たちは「木を読む」という行為をどのように捉えることができるのでしょうか。 第1弾の本展では、「木を読む」という視点から、日本の木文化に潜む多様な視点や感性、その価値観を探ります。 また、私たちがパリを舞台に選んだのは、日本という日常の枠組みから一度離れ、この文化を別の視点から見つめ直すためです。 異なる文化や価値観の中で対話を重ねることで、私たちが無意識に受け継いできた「木を読む」という感覚や美意識を改めて捉え直し、そこに潜む新たな価値観や現代的な可能性を見出すことを試みます。 会場では、建築家 / 美術家・佐野 文彦氏による「木を読む」をテーマとした作品展示に加え、日本の大工によるワークショップやトークセッションを開催予定です。 建築家 / 美術家・佐野 文彦氏作品(予定) 今後の展開 IPPON NIPPONは、本展を出発点として、今後もさまざまなテーマや地域へと活動を広げていく予定です。 建築家やアーティスト、デザイナー、職人など、木と向き合うさまざまな表現者や実践者とのコラボレーションを重ねながら、展示やワークショップ、作品制作、フィールドリサーチなど多様な形で活動を展開していきます。 また、各地域・各テーマで生まれた対話や発見、問いをアーカイブするため、一冊ずつリサーチブックを制作する予定です。編集は林 貴則氏(Polar Inc.)、アートディレクションは佐々木 拓氏(KANAISASAKI)が務めます。リサーチブックの編集・制作に加え、キービジュアルや各種クリエイティブを通して、プロジェク