「化石燃料ファイナンス大賞 世界ワースト2位」と書かれた”表彰スタイル”のバナーを掲げアピール ©︎ RAN / Masaya Noda 米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本:東京都渋谷区、以下RAN)は本日26日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)株主総会に参加し、気候変動を加速させる化石燃料産業や人権侵害、森林破壊を行う事業者への資金提供の停止を求め、会場前でアピールしました。 「化石燃料ファイナンス大賞 世界ワースト2位」 RANは集まった環境NGOとともに、会場のグランドプリンスホテル新高輪前で「化石燃料ファイナンス大賞 世界ワースト2位」と書かれた”表彰スタイル”のバナーを掲げ、 MUFGの資金提供が気候変動の加速に加担していることを株主にアピールしました。今月9日に発表した「化石燃料ファイナンス報告書2026」によると、化石燃料企業へのMUFGの2021年から2025年の資金提供額は世界の大手銀行65行中2位でした(注1)。会場周辺では、超小型電気自動車の移動広告と搭載したスピーカーを用い(注2)、米国における液化天然ガス(LNG)事業による先住民族の権利侵害などの悪影響を示しました。また、スピーチと資料配布も行いMUFGの資金提供への懸念点を説明しました。 会場前を走行する超小型電気自動車による移動広告 ©︎ RAN / Masaya Noda 反響・評価 スピーチの様子 ©︎ RAN / Masaya Noda株主への資料配布の様子 ©︎ RAN / Masaya Noda RANは総会で、1) 米国リオ・グランデLNG事業など先住民族の権利侵害が発生している資金提供例を挙げ、MUFGの方針や国際基準の違反が繰り返される原因と防止策、2) 外部からの情報提供に基づいて、取締役が方針遵守状況を監視・確認するためのメカニズム設置について質問しました。執行役専務グループCROの横幕勝範氏は「今はLNG事業(への資金提供等)をやめることは考えていない。先住民族の権利については、IFCパフォーマンススタンダードなどの国際基準を見ている」という趣旨の説明をしました。この回答は、同LNGへの融資が自社方針や国際基準に違反しているとMUFGが認識していない可能性を示唆しています。取締役の監視機能についての質問には、取締役ではなく執行役が対応したものの、質問への回答はなく、取締役のガバナンス機能が不十分であるとの懸念が浮き彫りになりました。 RANは昨年の株主総会で「リオ・グランデLNG事業などにおける先住民族の権利侵害についてMUFGではどのような是正措置や救済が可能か」と質問したところ、横幕氏からは「顧客の先住民族の人権への配慮を確認し、仮に顧客の配慮が十分でない場合は、融資を行わない方針である」という趣旨の説明がありました(注3)。 責任ある金融キャンペーナー・麻生里衣のコメント 「MUFGは、リオ・グランデLNGにおける先住民族の権利侵害などの問題を知りながら抜本的な対策を行っていません。よって、この権利侵害に加担していると言わざるをえません。昨年の株主総会での役員の返答にもかかわらず、MUFGは昨年秋に同事業の拡張プロジェクトに7億ドル以上の資金提供を行いました。2024年に来日し、MUFGと直接対話した先住民族を含む地域コミュニティは、このニュースを聞いてとても失望していました。事業者は今も、地域の先住民族やコミュニティと対話の場を設けずに、彼らの声を無視する形で建設を進めています。地下に眠る先住民族の歴史遺産は、破壊されれば永久に失われてしまいます」と訴えました。 ©︎ RAN / Masaya Noda 化石燃料・LNGへの資金提供 前述の「化石燃料ファイナンス報告書 2026」では、MUFGの2025年の化石燃料企業への資金提供額が世界3位の470億ドルで、前年比で21%も増加しました。MUFGは、LNG事業を拡大する企業に対して多額の資金提供を行なっています(注4)。米ネクスト・ディケイド社が進めるリオ・グランデLNG輸出基地事業において、地域の先住民族であるカリゾ・コメクルド族との十分な対話は行われていません。この事業への資金提供は、大規模事業への融資の際に環境・社会面での影響を確認するための国際基準である「赤道原則」(注5)や、同社グループの先住民族の権利に関する方針不遵守の可能性があることをRANは指摘しています(注6)。 今後の展開 RANは、オンライン署名「MUFGにリオ・グランデLNGへの資金提供の停止を求めよう!」を英語で展開し、現在は約28,000筆の署名が世界中から集まっています。日本語版もMUFGの株主総会を前に開始しました(